世界最大墳墓、大阪・堺の仁徳天皇陵!世界遺産登録なるか!?

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様々な貌を持つ堺

大阪市の南側、大和川を隔てた所に堺市があります。人口約84万人の政令指定都市で、大阪府第二の大都市です。元々は和泉国・河内国・摂津国という三つの国の境であることから「堺」と名付けられました。

堺市の中心地、南海高野線の堺東駅
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中世の頃、室町・戦国時代の堺は国際貿易港として栄え「東洋のベニス」と呼ばれるほど、ヨーロッパでも知られた美しい都市でした。安土桃山時代には自由都市として発達し、多くの堺商人が活躍して全国に散らばって行きました。全国に「堺」の名が付く地名は多いのですが、それらは堺商人が移住した土地です。

鉄砲や刀造りが盛んとなり、その鉄加工技術が現代にも伝承されて、今では包丁造りや自転車産業の中心地となっています。ちなみに、毎年5月には堺市で自転車ロードレースのツアー・オブ・ジャパンも開催されています。また、堺泉北臨海工業地帯という、巨大な重化学工業地域があるのも堺市です。さらに、日本有数の大規模住宅街である泉北ニュータウンもあります。

そんな近代都市の堺には、今から約1600年前の5~6世紀頃、数多くの巨大な古墳が造られました。それが百舌鳥(もず)古墳群です。同じ大阪府南部の羽曳野市・藤井寺市にある古市古墳群と共に世界遺産登録を目指しています。この両古墳群には、大きさで全国トップ10の中に6基もの古墳が入っています。

世界最大級の墳墓

その中で最大の規模を誇るのが、5世紀前半から半ばに築造されたという仁徳天皇陵です。その名のとおり、第16代天皇の仁徳天皇の墓とされています。ただし、その確証はないので大仙陵古墳とも呼ばれています。

その大きさはエジプトのクフ王ピラミッド、中国の秦の始皇帝陵と共に世界三大墳墓とも言われています。しかし、面積では仁徳天皇陵が他の二つを圧倒しているので、世界最大の墳墓と言ってもいいでしょう。

墳丘は全長486m、濠を含めた陵域は47万m²で、阪神甲子園球場が12個も入ってしまいます。今みたいにブルドーザーやクレーンが無かった時代に、よくこんな大きな物を造ったものですね。何しろ、毎日2千人も働いて15年もかかったというのですから。

大きさを実感するには?

古墳というものは、近くから見ても全体の形はわからず、ただの小さな山にしか見えません。一番よくわかるのは、空から見ることです。旅客機によっては、堺市上空を飛ぶ航路があり、飛行機からでも仁徳天皇陵の雄姿をハッキリ見ることができます。他の古墳との比較で、仁徳天皇陵の大きさを実感できるでしょう。

しかし、仁徳天皇陵を見るためだけに、わざわざ飛行機に乗るわけにもいきません。もちろん、ヘリコプターによる遊覧ツアーもあり、それを利用するのが一番いいのですが、結構な高額となります。

地面から仁徳天皇陵の大きさを実感するのは、やっぱり「近くば寄って目にも見よ」が一番いいでしょう。

仁徳天皇陵の正面の最寄り駅は、JR阪和線の百舌鳥(もず)駅です。この駅は、漢字3文字・かな2文字という、全国的にも珍しい駅名です。

百舌鳥駅から徒歩約10分で仁徳天皇陵の正面、鍵穴のようになっている前方後円墳の「前方」部分の中央に着きます。周囲には有料駐車場もあるので、車利用でも便利です。

ここには拝所がありますが、宮内庁管轄のため、中に入ることはできません。

仁徳天皇陵の正面・拝所
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ここから一周すると、仁徳天皇陵の大きさを実感できるでしょう。ただし、一周が2,850mで、歩くのには相当骨が折れますが。

仁徳天皇陵の濠と、内部の森
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大阪旅行には欠かせないスポット

仁徳天皇陵の正面付近は大仙公園になっています。大都会の真ん中とは思えない、自然豊かな風景が広がっています。

大仙公園の中には堺市博物館があります。ここには仁徳天皇陵はもちろん、波乱に満ちた堺市の歴史的展示物が満載です。ぜひ寄ってみるべきでしょう。また、今年(2016年)は4月26日~5月29日まで「ニサンザイ古墳発掘調査速報展」を開催しているので、ゴールデン・ウィークに行くには最適です。

また、すぐ近くには自転車博物館もあります。さすがに自転車の街らしく、他では味わえない自転車体験もできるようです。

大阪旅行といえば、大阪市内のUSJ、海遊館、大阪城、道頓堀、通天閣、あべのハルカスなどが人気ツアーですが、堺市の仁徳天皇陵はお勧めです。大阪市の隣りで、電車ですぐに行くことが出来る距離ですから、世界最大の墳墓を見ない手はないでしょう。

2016年4月25日

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