近代化産業遺産に認定されている「愛岐トンネル群」を訪問

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名古屋駅と東京駅を結ぶJR中央本線。沿線には風光明媚なスポットが多く存在しますが、愛知県と岐阜県の県境付近にある廃線のトンネル群が最近注目を集めています。1900年の鉄道開通時から1961年に廃線になるまでの間、近代化に大いに貢献した遺構を訪ねてみましょう。

明治時代の鉄道トンネルの象徴「レンガ積み」スタイル

「愛岐トンネル群」の見学は、JR名古屋駅から普通電車で30分強、玉野川沿いの崖の上に立つ「定光寺駅」を起点にスタートします。300メートルほど歩くとトンネル群の入り口へとつながる階段があります。受付で見学料100円を払うと「愛岐トンネル群」の歴史について書かれたパンフレットがもらえます。

書かれている内容によりますと「愛岐トンネル群」は、愛知県から岐阜県にかけての県境にある13基のトンネルの総称で、現在見学できるのは、3号から6号までの4基のトンネル。これら4基のトンネルはいずれも愛知県側にあり、いずれは岐阜県側のトンネルも整備していきたいという内容が書かれています。

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重厚なレンガ造りのトンネルはすべて違うデザインになっている!

見学できる3号から6号の4基のトンネルは、いずれもレンガ積みを基本としていますが、トンネル入り口の坑門部分は各トンネルとも異なるデザインとなっています。廃線後、全く人の手が入らなかったにもかかわらず、内部の崩落もほとんどなく、外装・内装ともに当時のままとなっているのが驚きです。2009年に経済産業省の「近代化産業遺産」に認定されたのもうなずけます。

各トンネルの坑門はそのトンネルのシンボルですので、できる限りの装飾が施されています。当時、大型SLのD51は、通過時には天井と側壁がわずか数10センチの余裕しかなく、壁に手が届くほどギリギリを走っていたそうです。

整備された散策路には休憩ポイントも点在♪

「愛岐トンネル群」の散策は、きれいに整備された歩道を歩くため、小さなお子様や高齢の方でも安心です。途中、涼しげな竹林を抜けたり、モミジの巨木があったり、手作りの水車や小さな滝もあるため、楽しい散策ができます。お弁当や軽食、飲料水やアルコールの販売もあり、ベンチやテーブルで食事ができるようにもなっています。

また、散策路から玉野川の河原に下りて行ける道もあり、山の風景、川の風景どちらも楽しめます。

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開催されるイベントも見逃せません!

5号トンネルと6号トンネルの間には広場があり、イベントスペースとして利用されています。この日は蒸気機関車「C57」の動輪一対が展示されていました。1947年に製造された直径1.75メートルの車輪は、これだけで2.8トンもあるそうです。すぐ横にある自転車のペダルを漕ぐと動輪が回転するようにしてありました。

ほかにも尺八やフォークソングのコンサート、ダンスパフォーマンスなど連日さまざまなイベントが催されます。

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いちばん長い6号トンネルを抜けると目の前は岐阜県!

見学できる最後のトンネルは6号トンネル。軟弱地盤の上に建てられた全長333メートルのトンネルは他のトンネルと異なり、側壁のレンガ巻の厚さを七重巻に施工した頑丈な物。建設工事中も崩落したと言われており、難産の末にできたトンネルです。このトンネルを抜けると公開区間の終点で、100メートルほど先には岐阜県側の7号トンネルが隠れています。この7号トンネルは非公開ですが、全長600メートルもある最長トンネルだとのことで、岐阜県側の整備が待たれます。

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秋の一般公開は紅葉も同時に楽しめます

「愛岐トンネル群」の一般公開は春と秋の年2回のみ。各期間とも1週間から10日ほどのわずかな公開です。春はゴールデンウィークに公開され、新緑の中の心地よい散策が楽しめますが、おすすめは11月に開催される秋の公開です。2015年度は、11月21日から11月29日の9日間の公開で、土日祝日には通常停車しない快速列車も「定光寺駅」に臨時停車します。玉野川の風景を眺めながらお食事ができるスペースもあり、ゆったりとした時間が過ごせます。

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アクセス JR名古屋駅より中央線普通で約30分 「定光寺駅」 下車徒歩10分

無人駅ですので往復切符が便利。suicaなどの交通系ICカードも利用可能ですが、「定光寺駅」でのチャージはできません。

2015年10月19日

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