山鉾が巡行する篠山城下!!京文化薫る春日神社の祭礼~秋祭りの舞台と宿場町巡り編~
京都から山陰や山陽地方、とりわけ姫路へ向かう山側のルートとして主要な街道沿いに位置する丹波・篠山。古都・京都が政治や経済・文化の中心地であった時代の名残りが周辺地域にも広がり、現在でも京都にみられる文化が根付いています。発祥地こそ定かではありませんが、祇園祭り時期の目玉行事のひとつ、山鉾巡行が亀岡やこの篠山地域でも秋祭りの時期に行われます!!
今回はそうした京風文化の名残りある祭り見学や祭りの舞台を巡り、篠山に残る宿場町を散策します!!
丹波・春日神社、秋の祭礼
篠山城跡の北側の通りを歩くと、商店に並んで、「おかすがさん」と親しまれる春日神社があります。国内各地に奈良・春日大社の分霊にあたる春日神社はありますが、篠山のこの地に分祀されたのは平安時代にまで遡るようです。
その当時、篠山周辺地域を領地としていた藤原基経・時平ら父子により、藤原氏の氏神でもある、奈良・春日大社から分祀したことが起源とされています。平安当時の藤原氏といえば、絶大な権力を誇った一族としてよく知られているとともに、後代にも名だたる武将や大名を輩出した家系でもあります。
境内には国指定重要文化財の指定を受けている能楽殿があり、毎年、元旦には能が奉納され、秋の祭礼とともに注目の集まる祭りが行われます!!
秋祭りの宵宮・本宮では境内で金神輿や太鼓神輿が賑わいをみせます!!
この春日神社の秋祭りの見所はやはり、城下町を巡行する山鉾でしょう!!祇園祭りで巡行する山鉾には屋台の屋根に鉾が立てられますが、篠山城下では電線との兼ね合いもあり、鉾は各町内にある展示スペースで祭りの期間中展示されています!!
宵宮・本宮ともに9基の山鉾がお稚児さんの奏でる笛や鐘の囃子とともに町内を巡ります!!
各町から1台ずつ出される山鉾ですが、中には重要文化財の指定を受けているものもあります。なんでも屋台を飾る刺繍が由緒あるものなんだそうです。
そして、宵山となるとすべての山鉾、太鼓神輿に提灯が取り付けられ、それらが巡る城下町は幻想的で厳かな雰囲気に変わります。
宵宮のラストはこの能楽殿前で繰り広げられる、太鼓神輿の練り合いが見所です!!お稚児さんが乗っているため、派手なけんかにはなりませんが、何基もの神輿が頭上まで担ぎ上げられる様子は勇壮なものです!!
境内には、能楽殿を寄進した篠山藩主・青山忠良の像があり、篠山の人材教育と文化の発展に力を注いだ青山氏の名残りを感じました!!
篠山の春日神社の祭礼は来年の10月まで再び観ることはできませんが、1月1日と桜の咲く頃に能楽殿では能が奉納されます。
波々伯部神社(ほほかべ神社)
国道・372号線を篠山城下から東に向かい、八上城跡がある高城山を過ぎるあたりに「丹波の祇園さん」と呼ばれる神社があります。この波々伯部神社には京都・八坂神社祭神の牛頭天王が勧請され祀られています。
さらに「おやま行事」と呼ばれる例祭が8月に行われますが、これこそまさに丹波の祇園祭りでしょう!!写真でしか観たことはありませんが、小型の鉾山や舟形の曳山、キュウリの形をした山車などが集落を巡ります!!
宿場町・福住
京都から篠山城下へつながる国道372号線。それと平行して走る西京街道には、国の選定を受けた重要伝統的建造物群保存地区があります。江戸から明治期中ごろには宿場町として栄えた宿場町であり、その後の近代化の影響を受けることなく、当時の面影を強く残しています。
街道沿いを歩いてみると宿場町の様子が見れますが、少し脇道へそれると農村の様子もある不思議な町並みでした!!
この宿場町の中にある福住地区には古民家に宿泊できるゲストハウスや、1ヵ月滞在型の古民家など、篠山の風土をじっくり体験できる拠点があります。
今回利用したゲストハウスは築100年にもなる住宅で、土間があり梁の見える空間は、今回の旅を特別なものにしてくれました!!
またぜひ利用したいものです!!
旅行のススメ
今回は篠山で味わえる秋の味覚堪能と併せ、秋祭り見学の旅でありましたが、さらに季節ごとに開催される伝統芸能見学や、おいしい食事や酒蔵めぐりも楽しめます!!年間を通して楽しみ方いろいろな丹波・篠山。
ぜひ、足を運んでみられるのはいかがでしょうか!?
2015年11月4日