街歩きの楽しさを満喫できる、面白スポット満載の東京・池袋をそぞろ歩く
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最近まで都内一の地上高を誇っていたサンシャイン60 展望台
今回は、東京・池袋を歩きます。…と言ったら、「池袋なんて、見どころあるの?」なんて、思われるかもしれませんね。しかし、バリエーションに富んだ、知る人ぞ知る面白スポットが満載なのですよ。10年くらい前、絶版になってしまったウォーキングガイドのコースに沿って歩いたことがあり、街歩きの楽しさを満喫したのでした。
池袋駅の東武デパートのあるほうは立教大学などがありますが、今回は歩くのは山手線の内側。かなり再開発されているので、前回との景色の違いを比べるのも面白いでしょうね。
…ということで、ウォーキングのスタートは、池袋駅の東口。まず向かったのは、池袋のランドマークでもあるサンシャイン60です。ネットで調べてみたら、現在展望台はリニューアル休館中なのだとか。ちなみに、今回の記事の写真は2年前のものです。2016年の春頃、新しく生まれ変わるそうで、どんな形で再登場するのか楽しみですね。
実は、サンシャイン60展望台に上るのは行った日が初めてなのでした。ビルが完成したときは私が大学生の頃。友達と一緒に訪れたのですが、入場料が高くて入るのを断念したのです。それがトラウマになったのか、その後何十年も寄り付けなくなってしまったのです。
2年前ですが、入場料は620円でした。なんだ、思ったより安いじゃん、と拍子抜けしました。サンシャイン60展望台の高さは226.3メートルで、東京タワー特別展望台の地上高223.55メートルよりも高いのですか。なんと、スカイツリー展望台ができるまでは都内一の地上高を誇っていたのだとか。
池袋はまわりに肩を並べるような高層ビルがないので、絶景を独り占めできるような感覚。ガラスが綺麗に磨かれているので、360度眺望を満喫できました。
都心の高層ビルよりも、秩父方面の山々がより近くに見えますね。
展望台の東西南北に1ヶ所ずつ真下観覧スペースがあって、窓際ギリギリから真下を見下ろすこともできます。いや~、なかなかの迫力。
東のほうを眺めると、東京スカイツリーが異次元の高さで聳え立っていました。
サンシャイン60に上るまで30年以上かかっているのですから、私がスカイツリーに上る日は果たして来るのですかね。
巨大な池袋駅も、埋もれたように見えまする。
サンシャインシティには、展望台のほかにも、水族館やナムコ・ナンジャタウン、古代オリエント博物館などのレジャー施設があって一日楽しめますよ。
無料で本物の金塊に触れる場所がある
バスターミナルから豊島郵便局の交差点に出て、サンシャインシティの隣にある独立行政法人「造幣局東京支局」に向かいます。構内にある「造幣東京博物館」はうれしいことに無料で入れるのですよ。
ただ、見学は月曜日~金曜日の平日だけで、時間は午前9時から午後4時30分(入館は午後4時まで)となっておりますので念のため。
ここには、貨幣、勲章等の製造工程紹介及び古銭、記念貨幣、勲章など約1,000点が展示されているそうな。受付で記帳し、入館バッジをもらって、いざ見学!!
正直、貨幣や勲章の製造工程には興味がないけれど、完成したお金には大変興味がありまする。展示物の中で目についたのが、硬貨袋。 いゃ~、懐かしいですね。
若い頃、銀行に勤めていて、まず配属されたのが出納係。毎日、これらの硬貨袋を提げて金庫に運び込んだり、近所のスーパーに両替を届けたりしていました。もう完全に肉体労働でしたね。
それらの重さは、100円硬貨が1袋4000枚で19.2Kg、50円硬貨が4000枚で16Kg、10円硬貨が4000枚で18Kg、1円硬貨でさえ1袋5Kg…。 ところが当時、右手に100円硬貨を3袋、左手に2袋持って運んでいたのです。計算すると、一度に100Kg近く持ち上げていたのですか。若気の至りとはいえ、すごい力持ちだったのだと驚きました。今やったら、完璧に腰が砕け散りますね。そういえば当時、いつも上司から、その腕力が脳みそに回ればなぁ~と言われていたことを思い出しました。
千両箱も、実際に持ち上げて、その重さを体感できます。
20Kgもあるので、ネズミ小僧がこれを肩に担いで屋根を走るなら、プロレスラー並みの体格が必要かもしれませぬ。
本物の金塊も展示されていました。
時価相場によると、約6,700万円。銀塊も230万円くらいするらしい。そして、なんと金塊に触れることができるのですよ。 ただ、かなり硬いし、表面がツルツルしているので、爪を立てても効果はありませんので念のため。(← 経験者?)
他にもオリンピックのメダルや豊臣秀吉や徳川家康が使ったという法馬金などが展示されていて興味深かったです。
個性豊かな池袋の小公園を楽しもう
造幣局東京支局を出て、近くにある都営荒川線の線路を渡ります。ここからが、このウォーキングコースの真骨頂。振り返ると、都電の線路の向こう側は再開発された高層マンションが建ち並んでいます。
しかし、こちら側はいきなりタイムスリップした感覚。10年以上前に来たときとまったく変わっていない街並みに心が安らぎました。これから、ガイドブックの案内に従って、狭い路地をクネクネ歩き、護国寺のほうへ向かいます。
それにしても、この絶版になったガイドブックの作者はすごいですね。右へ、左へと曲がったり、戻ったりして目まぐるしく方向転換しますが、文章や地図の正確さと端的な目印の記述によって、まったく迷いませぬ。
「牛タンの店とタバコ屋に挟まれた狭い路地に入ってすぐ右の小道へ入る」なんて記述を読みながら歩いていくと、まさに地図を持って宝探しをしている気分。
しかも、路地を歩くだけではなく、チェックポイントのような小さな辻広場が点在していて、広場もそれぞれ個性があって面白いのです。 診療所の角を曲がって、すぐ右にあるのが四季の森広場。
すぐ先の路地を左折すると、右角に富士山広場。
広場の角を右折して、突き当りを左に行くとガタガタ広場と対面にサンサン広場。
右に開ける日出商店街をしばらく歩き、通りが右カーブするところで左折すると、左角に日傘広場。そして左折して突き当りを右折すると、赤い鳥居のある鎮守の森広場…。
このあたりは住宅密集地で緑が少なく、大きな公園が建設できないので、空き地を利用して辻広場を建設したらしいですね。それぞれの広場のネーミングも秀逸ですが、見事に住宅地の中に溶け込んでいました。
取材日 2013年12月11日
2015年12月22日