ノスタルジックな一両列車「小湊鐡道」でぶらりローカル線の旅をしてみませんか
春が待ち遠しいこの季節。菜の花の頃になると、筆者が決まって訪れる場所があります。
それは千葉県、市原市。「懐かしい景色に会える」と、鉄道ファンのみならずコアな人気の千葉のローカル線「小湊鐵道」。ベージュと赤の丸っこいレトロな車両がかわいい車両です。ディーゼル列車がのどかな田園風景の中をのんびり走る情景が「絵になる」と言うことで、近年ではテレビコマーシャルやテレビドラマ、カラオケなどの撮影で使用されることも少なくありません。そんな小湊鉄道に乗ってノスタルジックなローカル線の旅をしてみませんか。
小湊鉄道とは
小湊鉄道は、千葉県の鉄道会社。鉄道とバスの路線を有しています。鉄道事業の他に路線バス、観光バス事業も展開しており、鉄道事業よりもバス事業の方が高 い収益を上げているそうです。
バス事業は太平洋戦争下で行われた陸運統制令に伴う戦時統合により、房総半島の木更津～勝浦以北のバス会社を袖ヶ浦自動車が統合 し、さらに小湊が同社を合併したことから始まりました。
かつてはタクシー事業も直営で行っていたのですが1986年に分社化されました。他のローカル線が列車のワンマン運転化や駅の無人化を進めるなかで、小湊鉄道は車掌が乗務し、利用者数の割には有人駅が多い事も魅力の一つだと言われています。ワンマン化もされていないため、車掌さんが一人一人に一回一回切符の検札と案内を行うのを見ると、都心の電車に慣れた人にとっては心温まる情景です。
こんな風に外見だけでなく、中身も正真正銘ローカルなのが、小湊鉄道の魅力の一つではないでしょうか。しかしながら小湊鉄道も将来はやはりワンマン運転になる方向だとの事。車掌さんのいる昔ながらの風景を見られなくなるのは大変寂しいですね。
小湊鉄道の車両
小湊鉄道の車両はキハ200形。国鉄キハ20系をベースにしてつくられた自社発注の気動車です。導入から半世紀以上経っているが、内装やエンジンは全て昔のままで使われています。
小湊鉄道の運行
全区間で平日ダイヤと休日ダイヤが異なっています。運転頻度は五井～上総牛久間はラッシュ時が1時間に2～3本、日中は1時間に1～2 本です。上総牛久～上総中野駅間は1日を通して2時間に1本程度となっています。
五井～上総牛久間の区間列車が半数以上を占め、養老渓谷・上総中野まで到達する列車は少ないです。特に、養老渓谷～上総中野間は平日1日6往復、休日1日7往復で、千葉県内では最も列車の本数の少ない区間となっています。デー タイムは1～2両、朝夕ラッシュ時が2～3両で運転されています。使用車両は全列車がキハ200形です。
五井～上総牛久間は、千葉・東京方面への通勤・通学客が多いです。上総牛久～上総中野間は観光客が主な乗客です。養老渓谷でイベントが開催される時期や、高滝の花火大会の際は増発・増結がなされます。
始発駅はJR五井駅
JR五井駅もノスタルジックな雰囲気を持つ小さな駅です。小湊鉄道の列車は3番線と4番線から発車しますが、改札口はJRと共用です。ホームに隣接した車庫には、キハ200型の気動車がたくさん並んでいますので、電車好きならここも撮影スポットですよね。
小湊鉄道の車両はかつて、内房線を由して千葉まで行っていたとか。満員の車内では、車掌さんが切符の販売をしていたりして益々気分が高まります。自動券売機はないので、お客さんは「きっぷうりば」の窓口で、駅員さんから硬券の切符を買います。
駅は無人駅が多いです。合理化により、2000年以降では2002年に里見駅、 2005年に上総山田駅が無人駅となりました。上総村上駅・海士有木駅・上総三又駅・馬立駅の各駅は曜日・時間を限って営業をしていましたが、2013年から無人駅となり自動券売機が置かれたそうです。無人駅から列車にのったお客さんは、車内で車掌さんから切符を買います。車掌さんはおおきなガマグチのような鞄を首から下げており、なつかしい短冊状の切符にパチン、パチンと鋏で穴を空けてから渡してくれます。これがまたいい感じのレトロ感。
小湊鉄道の終点、上総中野で小湊鉄道の気動車は、来た道を引き返します。となりのホームでは、菜の花色のいすみ鉄道のレールバスが待機していますのでここも撮影スポットですよね。
いかがでしたでしょうか。小湊鉄道のお得なフリー乗車券もありますので暖かくなったら是非菜の花を楽しみつつプチトリップをしてみませんか。
小湊鉄道企画乗車券
1日フリー乗車券（大人1,800円、子供900円）
房総横断乗車券（大人1,700円、子供850円）
上総鶴舞・高滝フリー乗車券（大人1,400円、子供700円）
五井 – 養老渓谷、往復割引乗車券（大人1,800円 子供900円）
2016年2月16日
