お稲荷さんなのにお寺?愛知県「豊川稲荷」を訪問
愛知県豊川市にある「豊川稲荷」は、東京や大阪にも別院がある有名なお稲荷さんで、日本三大稲荷のひとつともされています。「豊川稲荷」という名前から神社だと思っている人が多いと思いますが、実は「妙厳寺」という曹洞宗の寺院なのです。寺院の境内に祀られている鎮守の稲荷神が有名だったため、「妙厳寺」よりも「豊川稲荷」として有名になりました。今回はJRの豊川駅より歩いて参詣してみましょう。
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JR豊川駅から続く参道を歩きます
「豊川稲荷」のあるJR豊川駅は、東海道新幹線・東海道本線の豊橋駅より飯田線に乗り換え、およそ15分で到着。日中はおよそ15本に1本のペースでダイヤが組まれています。JR豊川駅は名鉄の豊川稲荷駅と隣接しており、名鉄を利用してのアクセスも可能です。それでは駅前から豊川稲荷へ続く参道をゆっくりと歩いてみましょう。
レトロ感たっぷりの参道での食べ歩きも楽しい
駅前からしばらく歩くと、赤い鳥居のモニュメントがある表参道に到着。ここからが本格的な参道となります。表参道の入り口にはたくさんのレトロなホーロー看板がお出迎え。この表参道沿いのお店は「なつかし青春商店街」という別名も付いており、ネーミング通りのなつかしい昭和の風景が残されています。
今では使う人も少なくなってきた言葉「純喫茶」と書かれた看板を掲げた喫茶店は、地元の人々に愛されている集いの場、ほかにも、うなぎ屋、お饅頭屋などが軒を連ね、食べ歩きも楽しめます。いろいろなお店や昔の門前町の雰囲気を楽しみながら歩いていると、すぐに「豊川稲荷」の総門に到着です。
鳥居がありますが寺院です
総門をくぐり中に入ると正面に山門が見えてきます。この山門は1536年に今川義元により寄進されたものとのこと。文化財としての指定はされていませんが見ごたえのある立派な山門です。しかし山門から左に目をやると、そこには大きな鳥居と狐。山門とは異なり神社の風景が広がる不思議な境内となっています。今回は「豊川稲荷」への参詣でやってきたので、こちらの鳥居をくぐって進むことにします。
神と仏を仲良く祀る「豊川稲荷」
鳥居をくぐって進むと今度は右手に御祈祷の受付をしている書院「最祥殿」があります。しかしどうみても寺院の風景です。こちらの建物の中はとても広く1000人が一堂に集まって食事ができる400畳の広間があるそうです。さらにその隣には鐘楼。右手には寺院の風景ばかりが広がるいっぽう、鳥居をくぐってまっすぐ進むと2つ目の鳥居が見えてきます。このように、「豊川稲荷」は一度の訪問で神様にも仏様にも参拝できるお得な寺院なのです。
本殿の前にも狐
いよいよ本殿にて参拝ですが、ここにも狐が祀られています。本殿は入母屋造りの大規模なお堂。さて、参拝。でもちょっと困ってしまいます。参拝方法はどのようにすればよいのでしょう。寺院であれば二礼二拍手一礼はしませんよね。まわりを見てみると、参拝者の多くは神社の参拝方法にのっとり、二礼二拍手一礼をしています。いっぽう地元の人と思われる方々は拍手をしていない様子です。参拝方法に困ったので、ガイドの方に尋ねてみると意外な答えが…
「参拝方法はお好きなように」
あまり気にせずに自分の好きなように参拝してよいとのことでした。
「豊川稲荷」に来て狐塚を見ずには帰れない
本殿を参拝後はさらに境内の奥に進みます。そこには無数の狐の像が立っている狐塚があるんです。その数は1000を超えるとのこと。表情のおだやかな狐や怒った顔の狐。凛々しい顔の狐もいます。ひとつひとつ表情を見ていると時間がどれだけあっても足りません。その数に圧倒されるだけでなく、なんだか狐の視線も感じてしまう不思議な場所です。
最後に奥の院を参拝します
もともとはこの奥の院が本殿だったとのことですが、現在の本殿とは異なり木立に囲まれた静かな場所にあります。境内をくまなく歩いた「豊川稲荷」ですが、この奥の院を参拝して参詣を終えます。
神仏どちらも参拝できる「豊川稲荷」は、境内を見渡すと本堂や奥の院などお寺の要素が強い建物が多くあります。しかし、鳥居や狐塚などからは神社らしさも感じられる不思議な寺院です。さて、参拝を終わったら再び豊川駅を目指しますが、参道で、お土産を買ったりするのもまた楽しい時間ですね。混雑の少ない電車で訪れると、ゆったりとした参拝ができますよ。
2016年1月29日