広島の観光スポットで欧米人に人気があるのは意外なアソコ
世界遺産の厳島神社と原爆ドームがある広島は、国内だけでなく海外からも人気の観光地。広島の観光スポットの中でも、最近意外な場所が欧米人観光客に人気です。「え?あんなところが?」とか「それ、どこ?」と言われてきましたが、最近欧米人の口コミをみて日本人観光客も多く訪れるようになったのが“弥山”。文化の違いというか視点の違いというか、おもしろいものですね。今回は訪日欧米人が広島で訪れる人気のスポットを3つご紹介します。
厳島神社
写真提供:広島県
もはや広島観光のテッパンとも言える厳島神社。海に浮かぶかのような荘厳な社殿は海外からの観光客ならずとも、ため息の出る美しさ。朱色の美しい社殿は平清盛により整えられたもの。平安時代にこれほどまでの高い建築技術があったとは驚きの一言に尽きます。 厳島は「安芸の宮島」とも呼ばれ、日本三景の一つに数えられています。季節によって、干満によって、その時々に違った表情を見せてくれるその姿はまさに日本の神秘。ここには欧米からの観光客だけではなく、アジアからの観光客も多く訪れます。 宮島にはJR宮島口もしくは広電宮島口で降りて、そこから10分程度フェリーに乗ります。フェリー会社は2社あって、どちらも片道180円(2015年8月現在)。片方はJRのフェリーで、実はこのフェリー、青春18きっぷで乗れるのです。ですので18きっぷの旅をしている方はJRのほうに乗りましょう。
原爆ドーム
写真提供:広島県
こちらは修学旅行の訪問先として選ばれることも多い原爆ドーム。結果的に原爆ドームという名称になってしまいましたが、もとは広島県産業奨励館という名前の建物でした。広島に原爆が落とされたのが1945年8月6日。産業奨励館は爆心地から北西約160メートルの至近距離で被爆。爆風と熱線を浴びて大破し、天井から火を吹いて全焼しました。その後アメリカ軍は長崎へも不必要に原爆を投下。罪のない多くの方の命が奪われました。今は負の世界遺産として海外からも多くの観光客が訪れ、核の恐ろしさ、戦争の愚かさについて学んでいます。わたしたち日本人は修学旅行で訪れて、それっきりになっている方も多いのではないでしょうか?改めて訪れると、子どもの頃とはまた違った印象を持つことでしょう。
弥山ケーブルカー
写真提供:広島県
いきなり欧米の観光客が多く見かけられるこの場所。ここは宮島ロープウェイ。紅葉谷公園の奥にあるロープウェイで、日本人観光客は厳島神社とせいぜい紅葉谷公園を散策して帰るパターンが多いのですが、欧米人観光客はロープウェイに乗ります。彼らはこの先にある標高約535メートルの霊山“弥山(みせん)”を目指すのです。
弥山からの眺め
写真提供:広島県
弥山は1200年近くも前に弘法大師により開基されました。弥山には1200年以上も消えずに燃え続ける“消えずの火”があります。弘法大師が修行を行った際の霊火が今もまだ燃え続けるという神秘的な言い伝えが欧米人にとっては日本の神秘として見えるのかもしれません。それよりも何よりも彼らは登山が大好き。弥山から見る穏やかな瀬戸内海の眺めも魅力の一つです。
町のほうには、この消えずの火をもらって薪窯でパンを焼いている“おひさまパン工房”があります。
おひさまパン工房 http://miyajima-pan.com/
筆者のおすすめ:ひろしま世界遺産航路
平和公園(原爆ドーム)と宮島を高速船で移動できる手段があります。それが“ひろしま世界遺産航路”。乗り換えずに済みますし、広島の街を川から眺めながら移動できるのでものすごくおすすめです。乗り場は原爆ドームから徒歩2分程度の元安橋のたもとにあります。料金は往復で3600円(2015年8月現在)。舟はだいたい30分に1本の割合で出ています。
アクアネット広島 http://www.aqua-net-h.co.jp/
2015年8月20日