小豆島の土庄めぐり~西光寺から世界一狭い海峡へ
小豆島を訪れる人は、みんなエンジェルロードに向かうでしょうけれど、エンジェルロードは潮の満ち引きでできる道なので、時には道として顔を出さない時もあります。でも、小豆島の土庄町はエンジェルロードだけが目玉じゃないんです。土庄町に行ったら、是非西光寺の三重の塔や世界一狭い海峡、そして迷路のまちも散策してみましょう。
西光寺はエンジェルロードから歩いて10分もかからない
小豆島の西光寺は高野山真言宗の仏教寺院のひとつです。西光寺というお寺は日本のあちこちで見ることができます。小豆島の西光寺はエンジェルロードから歩いて10分もかかりません。道々潮の香りをかぎながら、お散歩気分で国道沿いを歩いていくと小豆島西光寺のシンボル三重の塔が見えてきます。小豆島の西光寺までの道のりは坂もない平坦な道のりなので、朝のウォーキングコースには最適です。
ただ、三重の塔はすぐ見つかるのですが、入り口がなかなかわかりにくいのです。ちょうど民家に囲まれて少し見通しが悪いんですよね。
階段を上ったところが入り口になります。
朱色のあでやかな門がひときわ存在感を放ちます。
門をくぐるとこのような立て看板がありました。鐘の撞き方のレクチャーが。行きは撞いて、帰りは撞かないとか、けっこう細かい決まりがあるんですね。なかなか鐘を撞くチャンスもないものなので、ここに立ち寄ったらぜひ一度は撞いてみましょう。また、私語もだめなんですね。ついつい友達と来たらわいわい騒いでしまいそうですが、やはり厳かな気持ちで向き合いたいものです。気を付けましょう。
周りを見渡すと、立派な松がありました。隅々まで丁寧に手入れされていて、小さなお寺ではありますが、境内の情景もなかなか風情があります。
まずは手を清めてから参拝しましょう。
人もいなかったので静寂なひとときが過ぎていきます。
見上げれば朱色に輝く西光寺の三重の塔がそびえたっています。
三重の塔は土庄のランドマークとも言えますね。小豆島霊場五十八番札所でもあるこの地にやってくる人にとっては、このそびえたつ三重の塔が遠方からも見えていい目印になったのではないでしょうか。それにしても境内からは見上げるアングルになって、朱色の映えることこの上なしです。
世界一狭い海峡とは
海峡と言うと大きな隔たりを思い浮かべますが、ここには世界一狭い海峡というのがあります。それが土渕海峡です。
ギネスで認定されている世界一の狭さなんですよ。小豆島西光寺から一度436号線の大きな道に戻って、そこを道なりに歩いていくと5分ぐらいでオリーブ大橋という橋があります。土渕海峡はちょうどこの橋の間ということになります。撮影スポットとしては、土渕海峡としてわかるようにアーチがついているところがあるので、そこがお勧めですね。ちょうどオリーブ大橋のところから、その撮影スポットは見つかります。
そのアーチの手前に永代橋という橋があるのですが、ここが実は海峡の中でももっとも狭い場所になっています。そこで、橋にもギネスで世界一に認定されたことが書いてありました。この橋を隔てて、一方が土庄町、一方が渕崎町なので、この海峡はこの二つの街の名前の一部をとって土渕海峡っていうことにしたそうですよ。
この海峡、狭いせいなのか、水かさが増してあふれることがあるそうです。そこで、このようなハンドルで水門を開けて水かさの調整をしているようです。
こんなところまで、水かさが増して、町に氾濫したこともあったようです。土庄町はこのような被災水域の張り紙があちこちに貼ってありました。水景が楽しめる町ではあるものの、自然とともにあることは時として脅威でもあるのですね。
看板でも世界一狭いということをしっかり謳っていました。
詳しく見てみると、この狭さです。小豆島全体を見ても、狭い様子はわかりますよね。
地元の人がそっと教えてくれた迷路のまちの秘密
土渕海峡からあたりを見渡すと、すぐ迷路のまちがあります。迷路のまちってなんなんだろうって思っていたら、街の人が通りがかって説明してくれました。
どうやらこのあたり、色んな小さな店が連なっていて入り組んでいるようなんです。それがこの迷路のまちの街並みともいえるのですが、地元の人でさえも迷うということで有名らしくて、入らないことをお勧めされました。怖いもの見たさでちょっとだけ入ってみたのですが、案の定、軽く迷いました。時間的にあまり人通りもなく、迷子になったら困るので、元来た道を素直に帰りました。
中はお餅屋さんとか美容院とかあるようで、何かおいしいものでも食べれるかと期待してたのですが、とてもそこまではいけませんでした。本屋さんやカフェ、美術館などもあって、歴史と文学と芸術が薫る街として地元では色んな地図があちこちに置いてましたよ。
このあたりが迷路のまちなのは、表向きは台風がよく来るので、それを遮るためということらしいのですが、本当は昔この土渕海峡から海賊がやってきたので、街を迷路にして海賊が侵入しにくいようにしたと街の人がそっと教えてくれました。
昔はそんな苦労があったんだなあと思いました。
2016年3月11日