狭山丘陵を駈ける獅子を見た!緑に囲まれた西武プリンスドーム
緑の中に出現した近代的球場
自然に恵まれた埼玉県所沢市の狭山丘陵。ここにプロ野球(NPB)パシフィック・リーグに所属する埼玉西武ライオンズの本拠地である西武プリンスドーム(以下:西武ドーム)があります。
西武ドームが竣工したのは1979年。当時はまだ屋根は付いてなくて、西武ライオンズ球場という名称でした。福岡市を本拠地としていたクラウンライター・ライオンズを西武鉄道グループの国土計画(現:コクド)が買収し、西武ライオンズに生まれ変わって九州から移転してきたのです。
普通、プロ野球本拠地球場というのは街なかに建てるものですが、西武球場は市街地から外れた丘陵地に造られました。そのため、従来のように平地をそのままグラウンドにするのではなく、掘り下げ式で造ったのです。つまり、スタンドは建物になっていません。
結果、西武球場は出入り口がバックスクリーン後方になっており、ゲートを通り抜けたらスタンドの最上部を歩いてから下に降りていくという、従来の球場とは逆の入場方法となっています。これはドーム化された現在も変わっていません。
スタンド最上部から入場して下に降りていく、従来とは逆の西武ドーム
完成当初の西武球場は「田舎の球場」と揶揄されたのですが、設備は当時としては最新式で、両翼も95mと広く(当時の日本の球場は両翼90m程度だった)、日本で唯一のメジャー・リーグに負けない豪華な球場と言われました。そして何よりも、緑に囲まれた美しさが最大の売りだったのです。
オープンエア時代の雰囲気が残る西武ドーム
西武球場に屋根が付けられたのは1999年のことです。名称は西武ドームとなり、広さも両翼100m、中堅122mという現在と同じ規格になりました。
それでも密閉型ドームと違い、元々あった球場に屋根を被せただけなので、屋根とスタンドの間には空間があります。つまりドームでありながら、自然豊かな外の景色も見られます。
ドーム内から外の森が見える西武ドーム
屋根が取り付けられる前、西武球場の名物は外野芝生席でした。ドーム化されてからは日光が遮られたために芝生が育たなくなりましたが、代わりに人工芝席となっており、他球場では味わえない観戦が可能です。
外野の人工芝席でノンビリ観戦
日本にドーム球場が増えて以来、ほとんどの球場ではブルペンが室内に設置されるようになりました。ところが西武ドームは、オープンエア時代から引き続いて、スタンドからブルペンを見ることができます。次のピッチャーは誰か、どんな球を投げるのか間近で見られるわけです。
ファウル・エリアに設置されたブルペン
少し気を付けて欲しいのは、西武ドームではホームが三塁側、ビジターが一塁側ということです。西武の応援に来たのに、一塁側に座ってしまって肩身の狭い思いをした、なんてことが無いようにしてください。
西武ドームはファンサービスも抜群!
西武ドームの外にはドーム外ショップが多数並んでいます。また、様々なアトラクションなども行われているので、試合開始前からお客さんでいっぱいです。みなさんも西武ドームへはぜひ、試合開始よりも早く行ってください。色々な楽しみがあります。
西武ドームのゲート前は、試合開始前から人だかり
そして試合終了後も、曜日によって様々なイベントがあります。何しろグラウンドに入れたりするのですから嬉しいですね。またナイトゲームの場合は、ゲート近くが綺麗なイルミネーションに彩られます。
昼の姿とは一変、ナイトゲーム終了後はイルミネーションに彩られる西武ドーム
なお、試合開始前および試合終了後のイベントについては、詳しくは埼玉西武ライオンズの公式サイトをご覧ください。
意外に?近い西武ドーム
西武ドームは郊外にあるとはいえ、西武鉄道を利用すれば東京都心からでも意外に早く行くことができます。
池袋駅から西武池袋線の急行に乗って約26分、西所沢駅で西武狭山線に乗り換え、約6分で終点の西武球場前駅に着きます。
あるいは西武新宿駅から西武新宿線の急行に乗り約36分で所沢駅に着き、西武池袋線に乗り換えて約3分、西所沢駅で乗り換えるとあとは上記と同じです。
また、試合がある日には池袋駅や西武新宿駅、あるいは横浜の元町・中華街駅(みなとみらい線)から臨時直通電車が運行されますので、そちらを利用するのもいいでしょう。
さあ、自然に囲まれた西武ドームに行って、ライオンズ勝利の咆哮をあげましょう。そして松崎しげるばりにライオンズの球団歌「地平を駈ける獅子を見た」を熱唱してください!
2016年6月8日