リレー徘徊20 市電と梅小路公園(京都市)
京都市電の静態&動態保存場所の「梅小路公園」は、平成8年(1995年)年に開園した広大な芝生広場のある都市公園です。JR京都駅の西にあり周辺には、2016年4月29日にオープンした「京都鉄道博物館」(梅小路機関区をベースに大阪環状線弁天町駅前にあった交通科学館の鉄道車両を移し開設される西日本最大級の鉄道をテーマにした博物館)や2013年3月にオープンした「京都水族館」があります。今回は、この公園を中心にご紹介します。
梅小路公園
広大な芝生広場のほか、日本庭園「朱雀の庭」、京都地下鉄工事の残土を利用して作られた都市型ビオトープ「いのちの森」、梅園、こども向けの遊具ある都市公園で、公園のほぼ中央にある市電広場周辺に静態&動態保存の京都市電が展示されています。アクセスは下記リンクページ参照ですが、私的には京都駅から公園までモニュメントをたどりながら歩いていくのをおすすめします。詳しくは「京都・梅小路みんなでつながるプロジェクト」のウェブページを見て下さいね。
京都市電の静態保存
もう走行できないが、当時の姿のまま保存されている状態を「静態保存車両」と呼びます。大宮入口と七条入口には静態保存車両2両置かれており、園内案内所として開放されており、車両の中へも入る事ができます。共に路面電車愛好家の方達がボランティアで保全管理をされているそうです。
京都市電の動態保存
動く状態で保存したものを「動態保存車両」と呼びます。現在、動態保存されている車両は、台車部分が昭和36年(1961年)に廃止された堀川線(北野~京都駅間)で使われもの、レトロな車体は後年に復刻されたものです。台車は現在リチウムイオン電池を動力源としたバッテリー駆動方式に改造されています。ここへ移築される前は架線から電気をとる方式だったのでちょっと残念であります。運転日は、土曜日・日曜日・祝日で、夏休み期間中は月曜日を除く毎日運転で、時間は10時~16時。運賃は片道150円・1日券300円です。年末年始の12月28日~1月4日は運休です。車庫の中にも古い車両が1両保管してありますよ、お見逃し無くね!写真は移設前のものをのすたるじっくにセピア色にしてみました。
市電ひろば
市電ひろば、大正・昭和に製造された市電車両(4両)の内部を「市電カフェ」「市電ショップ」として活用されていて広場入口には、かっての京都市電の路線図が路上モニュメント化されています。懐かしいなぁ〜との思いで見入る人多数であります。さて、ここで一服して…
鉄博に行く前に
「おし、次は京都鉄道博物館へ行こう!」という前に是非、入園200円を払って京都作庭のノウハウがつまった京都の風景を模した「朱雀の庭」と京都の自然植生を模した「いのちの森」を見て下さい。人の手が入る庭=文化の美と人の手が入らない森=放置の美を見比べてみては?貴方は、どちらがお好き?
朱雀の庭
まず朱雀の庭、ながきにわたる京都の作庭技術&技法の枠を結集して作庭された池泉回遊式の日本庭園です。入口付近は赤松の林、続き滝と紅葉があり、続く野芝の丘には幾本もの小さな流れが池へと続く〜これは平安時代から続く作庭技法「野筋」です。流れ込む池は、水深1cmだけ水を張り鏡のような水面を作り出す「水鏡」、四季折々の…春の桜、夏の百日紅、秋の紅葉、冬の雪景色が映り込みこの庭ならではの美しい風景を作り出します。写真は、「庭観賞は冬」と観庭の師匠に言われましたので晩秋の朱雀の庭をアップしておきます。
いのちの森
京都地下鉄建設時の残土を持ち込み作られた都市型のビオトープの再生を目指して作られた人工の森です。山科盆地の植生を模した作りになっており、短いながら川や小さな池と湿地もあります。作られた当初から人の手をいれずの放置状態で、どのような経年変化があるかの観察を今も継続中ですが、一般人が見ると「手入れされていない荒れた藪」に見えます(笑) 地上約3mから森を観察できる樹冠回廊が設置されています。次回市電ネタ続きで、京都市内に残る市電の痕跡を訪ねてみます。
2016年7月1日