センバツ覇者、夏も制するか！？まほろば高校球界を盛り上げる佐藤薬品スタジアム

春を制した智辯学園

今年（2016年）夏の高校野球地方大会で、最も注目を集めるのは奈良大会でしょう。奈良大会には、今春のセンバツ大会で初優勝した智辯学園が参加します。当然、智辯学園の目標はただ一つ、史上8校目の春夏連覇です。

今年の奈良大会は41校が参加、7月10日に開幕します。使用球場は佐藤薬品スタジアムで、全試合この球場で行われます。佐藤薬品スタジアムの正式名称は奈良県立橿原公苑野球場ですが、地元企業の佐藤薬品工業が命名権を取得し、現球場名となりました。

両翼93m、中堅120mと最近の球場としてはやや狭く、収容人員数は1万人で外野スタンドは芝生席となっています。フィールドは内野が黒土、外野は従来の芝生から人工芝に張り替えられました。

外野のみ人工芝となった佐藤薬品スタジアム

交通の便がいい佐藤薬品スタジアム

佐藤薬品スタジアムは奈良県北部の橿原市内にあります。なぜ県庁所在地である奈良市内の球場を使用しないのでしょうか。

その理由として、交通の便が考えられます。奈良市は奈良県の最北端にあり、奈良県南部の高校からは非常に遠くなります。それに比べると橿原市はもっと南にあるので、県内全域から来やすい場所にあります。以前は奈良市内の球場も使用されていましたが、最近は参加校数が減ったため、佐藤薬品スタジアムのみでの開催となりました。

最寄り駅は特急も停車する橿原神宮前駅で徒歩約5分、近鉄の橿原線・南大阪線・吉野線が交わる中枢部にあり、奈良市内はもとより大阪市内や京都市内からも乗り換えなしで来られる便利さです。

また、近くには橿原神宮があり、駐車場には事欠きません。周囲は大和高田バイパスや橿原バイパスが通っているので、車での来場も便利です。地方球場で、これほど交通の便がいい球場を他に知りません。

夏の高校野球奈良大会で満員となった佐藤薬品スタジアム

奈良大会の見所

今年の奈良大会で注目されるのはもちろん、センバツ覇者の智辯学園です。今春の奈良大会でも優勝、近畿大会では準優勝と夏に向けての準備は万端整ったと言えます。

対抗馬はなんといっても最大のライバルである天理でしょう。天理と智辯学園は「奈良の2強」と呼ばれ、長年ずっと奈良の高校球界を牽引していました。

しかし、天理が春1度、夏2度の甲子園制覇を果たしているのに対し、智辯学園は甲子園優勝がありませんでした。それが今春のセンバツで優勝し、コンプレックスは完全に払拭されたでしょう。

春季奈良大会の決勝でも両雄が決勝でぶつかり、天理は敗れたとはいえ4-6と接戦を演じました。もちろん、打倒・智辯学園の一番手です。なお、今夏のシード校はこの両校の他に関西中央と奈良大附の計4校となっています。

公立校で注目されるのは平城でしょう。昨秋の奈良大会では天理を5-3で破り、智辯学園には敗れたものの0-1という大熱戦でした。ノーシードとはいえ、初の甲子園出場を虎視眈々と狙います。

地元のテレビ局に生中継される奈良大会の熱戦

アマ野球のメッカ、そしてプロ野球二軍も

佐藤薬品スタジアムは高校野球のみならず、大学野球や社会人野球でも使用されています。奈良におけるアマ野球のメッカと言ってもいいでしょう。

そして最近では、プロ野球（NPB）のオリックス・バファローズが、二軍の地方主催試合として佐藤薬品スタジアムを使用するようになりました。ウエスタン・リーグの公式戦が行われ、その試合では佐藤薬品バファローズスタジアムという名称になります。

今年の場合では4月10日に広島東洋カープと二軍公式戦を行いました。さらに8月21日には13時から阪神タイガースとの二軍公式戦が予定されています。関西同士の対戦、また夏休みの日曜日ということで、スタンドはいっぱいになるでしょう。

さあ、高校野球はもちろん、アマ野球やプロ野球二軍など、まほろばの国の野球を体験してみませんか？

2016年7月7日