大阪の富田林バファローズスタジアムでプロ野球二軍戦を楽しもう!
二軍戦の地方開催
プロ野球(NPB)には華やかな一軍と、一軍入りを目指す選手が集まる二軍(ファーム)があります。以前、このサイトでも二軍戦の楽しさを紹介しました。
ほとんどのファーム戦は二軍の本拠地球場で行いますが、オリックス・バファローズが新たな試みとして二軍公式戦を地方開催しました。オリックスは大阪の球団ですが、地方開催と言っても関西以外だけではなく、関西でもプロ野球が来ない地域で試合を行うというものです。
その一環が、2012年から始まった富田林バファローズスタジアムでのウエスタン・リーグ公式戦です。
日本初の、本拠地球場以外で球団の愛称が付いた富田林バファローズスタジアム
国体も行われた球場
富田林市は大阪府南東部に位置する自然豊かな市です。しかも富田林バファローズスタジアムは富田林中心街からも遠く離れており、大阪とは思えない田舎風景が広がっています。
球場の向こう側にそびえる、大阪最高峰の金剛山
この球場が完成したのは1994年、そして1997年に大阪で開かれたなみはや国体の軟式野球で使用されました。両翼95m、中堅120mという当時のプロ野球でもあまりない立派な広さで、収容人員2,500人、外野には美しい天然芝が植えられ、軟式野球では充分な明るさのナイター設備があります。余談ながら筆者も、この球場でソフトボールのナイターをプレーしたことがあります。
内野の黒土、外野の芝生、広さ、収容人員すべて二軍戦には充分
ナイター練習を行う社会人の硬式野球チーム
これだけ立派な球場を使わない手はないと判断したオリックス球団が、二軍主催試合の開催に踏み切ったのです。
地方開催のメリット
同じ関西とはいえ、本拠地から遠く離れた田舎で、集客の心配はなかったのでしょうか? 実はそこが狙い目で、プロ野球に縁がない土地だからこそ成功の見込みがあったのです。
二軍戦といえば商売は二の次、売店もロクにない場合が多いのですが、地方開催ではそうはいきません。二軍とはいえ、プロ野球開催はビッグ・イベントなのです。
富田林市はもちろん近隣の自治体も協力し、売店も多く出して、まるで祭りのように賑わいます。集客面でも商売面でも、オリックス球団の目論見は成功しました。そして富田林開催は毎年7月に行われるようになり、今年(2016年)は7月23(土)、24(日)日の広島東洋カープ戦となっています。
試合開始前には地元の高校がチアリーディングを披露
地元の大学が臨時放送席を設置して試合実況
大阪南部といえば、オリックスと合併した大阪近鉄バファローズや、福岡ソフトバンク・ホークスの前身である南海ホークスがあった場所です。そんな昔からのファンも大勢来ていました。地方開催では新しいファンの開拓と共に、オールド・ファンの掘り起こしも可能なのです。
近鉄沿線とあって、近鉄時代のブライアント(背番号16)のユニフォームを着ているファン
この日はホークス戦、南海電車も近いので南海帽を被ったファンが多数。芝生席でノンビリ観戦
また、二軍とはいえファンにとってプロ野球選手は憧れの的。試合が終わると、出待ちのファンでいっぱいになります。特に地方開催では、選手に触れ合うのは滅多にない機会ですからファンは大興奮です。
試合が終わり、バスに乗り込む選手を待つファンが大行列
野球以外の富田林のお楽しみ
富田林バファローズスタジアムには無料駐車場があるので、車での来場が便利です。路線バスは本数が少ないのであまりお勧めできませんが、試合当日は富田林市役所から無料送迎バスが出る予定です。市役所の最寄り駅は富田林西口駅で、近鉄南大阪線の大阪阿部野橋駅から河内長野行き準急もしくは急行に乗って約30分で着きます。
せっかく富田林まで来たのなら、富田林観光もしてみましょう。球場の近くにはサバーファームという農業公園があり、有料で農作物を収穫したり、バーベキューを楽しんだりできます。
富田林西口駅(あるいは富田林駅)の界隈は富田林寺内町となっており、江戸時代から続く歴史ある民家が並んでいます。散歩してみてはいかがでしょうか。
上から見た富田林中心街。奥の古い瓦屋根が寺内町
以前に紹介した瀧谷不動尊には旅館街もあります。ここを宿泊拠点にして野球観戦、そして富田林観光をするのもいいでしょう。
2016年7月15日