【高野山】いざ、聖なる地へ!一泊二日高野山満喫の旅 5

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早起きは何文の得?

はい、おはようございます。金剛三昧院の朝です。爽やか。目覚まし時計のなる前、5時半には目が覚めました。いや~早寝早起きって、すばらしいですね。久しぶりの早起きでテンションが上がり過ぎ、妹にたしなめられる始末。面目ない。

御本尊、愛染明王を前に説法をお聞きします。昨日山門で見かけたフランス語を話すバックパッカーの男子二人のほかにも、異国の方々が数組、おられますねぇ。こんな朝早くからのお勤めにも参加するとは、貴方達、かなりの通ですね?

お勤めの間は当然写真撮影なんかできませんので、神妙に勤行を聴きます。いや~こちらの和尚さん(?)も良いお声です。彼を含めて5人の方が掛け合いのようにして朗々と読み上げるのは般若心経?

亡くなった祖父が浄土真宗の坊主だったにもかかわらず、宗派に詳しくないわたくしですから、真言宗の経典がなにであるか知りません。屈みこむようにして経を読む坊様たちと、彼らを鈍く照らす金色の飾り達をはへ~と口を開けてみつつ、「おぉ巻物カッコイイ」等と思うのがせいぜいです。

そうそう。本堂とその横の「位牌堂」を若いお坊様の先導で魅せていただいたのですが、経をまだ延々と読んでいるのに「さ、どうぞこちらから」と促されたのにはびっくりいたしました。

ふすま絵は目に綺羅きらし

さてさて。朝のお務めも無事済ませ、いよいよ「本坊」見学でございます。本当ならば昨日したかったのですが、閉院時間が迫って断られちゃいましたから。

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はい、で、こちら。磨き上げられた廊下からひょいっとのぞけば、重要文化財様が鎮座しておられます。小栗宗丹の襖絵。わたしのつたない撮影技術では伝えきれませんが、ぎらりと底光りしている様な金泥が、本物の凄みを感じさせました。

こちらの襖絵に関しては、朝のお勤めの終りに施主(導師?)さんが、裏話を教えてくださいました。

なんでも、重文指定をされた際、文化庁より「本物は(管理しやすいように)こちらに渡して、そちらにはレプリカを展示しなさい」というお達しを頂いたとか。で。レプリカといえどもそれなりの物を置いておかねばなるまいとお値段を調べた結果、一千万はかかると判明。その費用の相談を文化庁にすれば、「え? そっちが出すもんでしょ」というすげない回答が返ってきたそうです。

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いや、そこは出そうよ文化庁。文化の継承には金がかかるものじゃん? この金剛三昧院なんて、こんなご立派な着物まで展示してくれてんのよ?

結局、どうにかこうにか交渉して、襖絵の倉庫保管は免れたそうです。よかった、よかった。

ご飯を食べたら冒険だ!

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あ、さて。普段は朝食をとらないわたしですが、旅先では別です。そして本日は早朝から動いてますからね!

はぁご飯がおいしい……。噛みしめるたびにしみ込んだお出汁がでてくるがんもどきも素敵。日本人でよかった。

さて、さて。朝食を頂き、チェックアウト(宿坊にふさわしい言い方ありませんかね?)も済ませ。ご朱印を頂いたら、昨日回れなかった境内の残りを探検です。

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経典高野版の版木(はんぎ)500枚が所蔵されていたと言う、校倉造りの「経蔵」の脇を通ると。見えましたるはちょいと崩れかけたお社。「四所明神社」です。高野山の守り神、丹生・高野・気比・丹生御息を祀っています。

そして、前のお賽銭箱のようなものが傾いていますが、こちらも重文。きっと1552年の建立当時は鮮やかな色合いだったんだろうなぁ……。

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同じ境内のこのお社は、はてさてどなたをお祀りしているのやら……? こっそり近づいて拝見しましたが、文字が掠れて良く分かりませんでした。

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さらに小道を登っていくと、「毘張尊師社」がございます。前日お参りセットの中に入っていたお札にも、その名が記されておりましたね。火災盗難よけに御利益があるという、天狗様を祀っているそうです。

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きっとここまで登ってくる人はあんまりいないのでしょう。お社の前の、昔は講でも催していたのかなと思われう6畳くらいの建物はぼろぼろ。こんな銅鑼のようなものがものさびしく吊り下がるだけ。後はガラクタにしか見えない物品が置かれていました。

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あ、でもきっと、定期的にお参りはしておられるのでしょう。供えられているオレンジが、まだ瑞々しさを保っていますから。

あと、赤白をセットにして供えられているモノは、干瓢かなにかでしょうか……? たぶんきっとおそらく。きちんとした由来のあるもの、のはず。

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ふぅ。登ったものだけが、見ることのできる風景です。木の間ごしに見る経蔵の苔むした屋根が美しい。

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寺務所前の植え込みに置かれた、水受けの石。高山植物とのマッチングがなんとも良い風合い。一泊二日と言わず、一週間くらいここにお籠りすれば、108どころか1000くらいは煩悩のあるわたしでも、見えてくるものがあるでしょうか?

なんてことを考えながら、金剛三昧院を後にし、次はいよいよ高野山の総本山、「金剛峯寺」へ参ります。

 

金剛三昧院
http://www.kongosanmaiin.or.jp/

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2016年8月31日

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