リレー徘徊34:京の庭・京都御苑3/ 苑内巡る編(上京区)
せっかく京都御苑に来たのだから苑内を散策してから他の景勝地へ行かれてもよいかと。国民公園部分は約65ha(甲子園球場約17個分/ちなみに東京ディズニーランドは甲子園球場約13個分)の広さがあり、桜に梅、赤松&黒松、榎、楓など季節で楽しめる樹木がわんさかの中に散策路&神社、遊具のある児童公園からテニスコートにゲートボール場までがありまっすからね~♪ 詳しくは、京都御苑のサイトか、環境省のサイトへアクセスされるいいですよ。今回は、御苑内で、わたし的に興味ある所をご紹介します。
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赤松を愛でる
広大な敷地内に約5万本の木々があり、樹齢400年~600年の大樹がいく本も現存し、多種多様な生き物が暮らす京都御苑。100年少し前に公家屋敷町だったなんてねぇ~想像もできませんが。で、あまりに樹々が多すぎてよーわからんって方に、わたし的におすすめは「赤松ウォッチング」でしょうか? 黒松は男性的、赤松は女性的と言われています。赤松の赤い幹は古くなった樹皮を落とすことで現れ、葉っぱは手でもぎり、間引くので枝ぶりが優雅に見え、全体として女性的な樹形となります。赤松ごとに表情や様相が変わるので飽きないですね。
宗像神社(むなかたじんじゃ)
リレー徘徊32で紹介した九条家跡の北側にある楠の大樹が繁る小さな神社です。その由来は古く、延暦14年(795年/平安遷都の翌年)に藤原冬嗣公が桓武天皇の勅命で、皇居護りの神として九州筑前宗像神を勧請して祀られたのが始まりだそうです。祀られている宗像三女神(多紀理比売命:たきりひめのみこと/多岐都比売命:たぎつひめのみこと/市寸島比売命:いちきしまひめのみこと)は、大陸との交易で重要な玄界灘を護る神々として大和朝廷から大事にされたそうです。
境内のやけにストレートな名前の神社と思ったら京都観光関連業者が相寄って建立したそうです。
白雪神社
ここも大きな樹々に囲まれた小さな神社ですが、もともとは西園寺家(さいおんじけ:最上位の摂家に次ぐ家格を有する清華家一門の公家)の鎮守社(特定の建造物や土地を護る神様)でした。西園寺家が琵琶の宗家であることから音楽の神様として妙音弁財天(市杵島姫命)が祀られています。西園寺公望は、この地に私塾「立命館」を明治2年(1869年)に開いたそうで、現在の立命館大学は、この私塾の名を引き継ぎ建学されたそうです。
なので絵馬は琵琶を奏でる弁天様
梨木神社(なしのきじんじゃ)
御苑の東の端にある神社で、明治維新に大きく貢献した三條實萬(さねつむ:武家伝奏となり対米政策について江戸幕府と交渉)・三條實美(さねとみ:明治政府の最高首脳の一人)父子を祭神として明治18年に建立したそうですが、久々にお詣りして驚き!! 参道がない!? 一の鳥居の真後ろにマンションが!! なんでやねん?と、調べたら60年の契約で参道をマンション業者に貸して社殿の修復費にあてたそうで、きっと苦渋の選択やったんでしょうね。
別名・萩の宮
境内には所狭しと約500株の萩が植えられています。残念ながらお詣りした時は花が終わってました。見頃は9月中旬から下旬だそうで、萩祭りが行われるそうです。
萩の参道〜満開の時は、さぞ見事でしょうね!!
京都三名水「染井の水」
梨木神社の境内西にある1000年以上湧き続けている井戸で、京都三名水(醒ヶ井・県井・染井)のうち、現存するのはここだけだそうです。水汲みの順番を待って呑んでみました。たしかに!名水!!お参りの際は、空のペットボトルを用意しておきましょうね〜♪
出水の小川
苑内西中央付近にある人工の小川ですが、コレ、由緒正しいのであります。実は…御所には琵琶湖疎水から分水した防火用の専用水路「御所水道」が引かれていて、この御所周りの流路「御溝水」から水を回し、川底には苑路と同じく琵琶湖安曇川産の石を敷いて作ったのがこの小川です。現在、御所水道が閉鎖されてたので、琵琶湖疎水の水ではなく、地下水をくみ上げて流しているそうです。
京都御所は通年参拝公開に〜♪
最後に…以前は事前申込が必要でしたが、現在は通年公開されていますので、リンク先の宮内庁のページ参照して行ってみて下さい。残念ながら私、行けてないんですよね〜!! 次回は、無料で拝観できる庭3、京都市立美術館の裏庭をご紹介します。
2016年10月27日