【神奈川・湯河原温泉】住むひとに愛された、美味しうるわしの国 前篇

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神奈川県足柄群湯河原町。

西で生まれて育ったわたくしですから、東の国々、町々にイマイチ馴染みがなく。まぁぶっちゃけ、方向音痴さんですのでこれだけ色々旅しても、位置がよう分からんのです。

今回行った湯河原温泉も、そんな場所の一つでした。

「えぇっと。熱海と箱根の間? 温泉以外に何があったっけ?」

お住まいの方々に聞かれれば殴られそうなことを呟きながら地図と引き比べてお宿を手配して、行ってきました。

光あふれる宿から海を見渡す

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保土ヶ谷のあたりで接触事故があったとやらで、途中ちょいと足止めを食らいましたが、無事湯河原に到着。駅で可愛らしい狸(ペットボトルのキャップ製)に出迎えられました。

なんでも湯河原の温泉は狸君によって見つけられたとか。その伝説については後ほどお話するとして、まずは観光案内所で情報をゲットした後、お宿へGOです。

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電話ですぐに迎えに来てくれたマイクロバスで超・急勾配の坂を上った先に、今夜のお宿、「ホテルあかね」はございました。

玄関では「商売繁昌」。繁に盛るではなく、昌の字を書いた石(?)をくわえたカエルくんがお出迎えです。

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湯河原は海に面した土地ですが、源泉は川をさかのぼった山間にあります。そんな中で高台にあるこのホテルからは海と街並みが見渡せる。サイトにあった、「お天気の良い日には海から昇る朝日や三浦半島までご覧いただけます」の言葉に宿泊を決めました。

あ、そうそう。ホテルの前には、小さいながらも丹精込められたお庭があります。お庭の下は、ミカン畑。例年この時期の宿泊客はその畑でミカン狩りを楽しめるそうですが、今年は夏の暑さのせいか、まだ青い実のままだそうで。

フロントの方が残念そうに笑っておられました。

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さ。チェックインをすませ、お部屋へ。っとその前に。女性限定の浴衣選びです。

今回の旅は女三人ぷらすお子ちゃま。「あ、こっちが似合うよ!」「青と紫、迷う~」なんて姦しいことこの上なし。ええ。女三人ですからね。当然です。ちなみに友人のお子ちゃまは、「ママにはこれ!」と一番にピンク地の浴衣を選んでくれていました。

お部屋でまったり

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日本のお宿の楽しみと言えば、コレ。部屋に置いてあるご当地銘菓ですよね~。異国風に言うならばウェルカム・フルーツでしょうか?

もうねぇ。これとお茶があれば、いつまででもお部屋でまったりお喋りしちゃうわけで。「夕飯はいんなくなるから、控え目にね」なんて言いつつ、お風呂に行くまでに駅のコンビニで買ったお煎餅を開けてしまうわたし達です。

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はい、ドーン! 今回の目玉第二弾。「伊勢えびのお造りと刺身盛り合わせ」。

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そして、金目の煮つけに地元の新鮮海鮮会席達。新鮮を思わず「神饌」と変換してしまったほど豪勢な夕食です。

わたくし、ココに来てなんですが、実は長年生魚が苦手でございました。が。この刺身盛り合わせには、「うまそ~!」と叫んでしまいましたよ。そして自分でするワサビ、しかもサメ肌おろしにテンション爆上げです。

「うまっ」「うんま~……」

姦しい女三人+1のはずなのに、食事中はそんな言葉しか出てきません。「美味い食事は人を黙らせる」は本当でした。

日本国内色んな場所を旅しましたが、この湯河原がいままで旅した中で一番、魚をうまいと感じられました。もちろんわたしの味蕾が、刺身を美味しいと感じるまで成熟したおかげもあるでしょうが。

で。刺身のおいしさもさることながら、煮付けや干物もべらぼうにうまい。

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この金目がね。たまらんのですよ。最初、「少し味が濃いかな?」なんて感じつつ、箸を動かすうちに止まらなくなり。食べ進むうちにご飯が欲しくなる。

そしてまたご飯がおいしいんだ、コレが。刺身ですでに満腹に近いのに、つやつや光るお米達が我らを誘い。お腹がすでにはち切れそうなのに、こんなに美味い魚達を残すのは罪としか思えず。限界まで食べました。

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おかげでお肉にまでたどり着けず。

あ、でもご安心を。こちらの美味しいお肉は友人のお子ちゃまのお腹に収まりました。

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肉をパスした理由は、このすまし汁にもあり。中に浮かぶ白いモノは、山芋でくるんだ白子だんごです。実は白子はいまだに苦手だったのですが、これにはしっかり火が通っていたおかげか、うまうま完食しました。

この後更に仲居さんが、珈琲ムースのデザートを持って来てくださったのですが、そちらもお子にスルーパス。

「うえっ、ぐるじぃ………」大人3人は食の刺客に仕留められ、あえなく畳の上に寝そべりましたとさ。

お宿に完敗

歓喜と苦しみが交差する晩餐から一夜明けて。

「きっと温泉が助けてくれる!」と猿知恵を働かせて、夜ひと風呂浴びたものの、朝になってもお腹は空かず。お喋りに興じた結果の寝不足も手伝い、「あ~朝ご飯食べられるかな~?」なんて言っていたのですが。

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はい、甘かったですね。ふふっ、見てくださいこのお菜の数。わたしの普段の夕食より多彩で豪華ですよ。

どれもこれも控えめですが光を放ち、食べないわけにはいかんでしょう。

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しゅしゅん湯気を立ち上らせる小鍋の蓋を開ければ、豚肉とお豆腐がこんにちは。あぁもうっ!  食べます、食べますよ。負けましたよ。お陰さまでまた、しばらく畳の青さを楽しみましたよ。

その後根性で朝風呂に行きましたが、ぽっこり膨れた胃袋に、軽く、いや大分へこみました。

 

三人+1の美味し国旅は、後篇に続きます。

2016年11月17日

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