大阪第三の繁華街・天王寺&阿倍野!日本一高いビルの完成で発展する街
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今、注目を集める地区
以前、大阪の二大繁華街であるキタとミナミをご紹介しましたが、第三の繁華街として注目を集めている街があります。それが天王寺&阿倍野です。
天王寺&阿倍野は大阪市における「南の玄関口」と呼ばれており、ミナミよりもさらに南にあります。そのため、この地区はミナミの一部と思われがちですが、実際には違う街であり、ミナミやキタとは全く異なる貌を見せます。
天王寺&阿倍野を全国的にも有名にしたのは、2014年にグランド・オープンしたあべのハルカスの存在が大きいでしょう。地上300mの日本一高いビルとして誕生し、大阪の新名所となりました。
地上300mの日本一高いビル、あべのハルカス
天王寺と阿倍野、なぜ2つも地名があるの?
さっきから「天王寺&阿倍野」と2つの地名を合わせて使ってますが、なぜ1つに統一しないのでしょうか。この地区の中心となっているのは、JR(大阪環状線、阪和線、関西本線)および地下鉄(御堂筋線、谷町線)の天王寺駅と、阪堺電軌上町線の天王寺駅前駅、そして近鉄南大阪線の大阪阿部野橋駅です。
これらの駅は互いに乗り換え可能で、同じ場所と言ってもいいでしょう。にもかかわらず、天王寺と阿部野橋という2つの名前を使い分けています。なぜでしょう? キタにおける大阪駅と梅田駅のような関係なのでしょうか。
実は、JRの天王寺駅は天王寺区に属しているのですが、幹線道路を南へ隔てると阿倍野区になり、そこに近鉄の大阪阿部野橋駅があるのです。もっとも、実際にはもっと事情は複雑なのですが、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
なお、大阪阿部野橋駅と阿倍野区では「べ」の漢字が違います(他には、地下鉄谷町線や阪堺電軌上町線に阿倍野駅があります)。そして、大阪阿部野橋駅の由来となったのは阿倍野橋で、川ではなくJRの線路(掘割部)に架かった橋です。
大阪阿部野橋駅の由来となった阿倍野橋。下の線路はJRの各線
自然豊かな天王寺公園
天王寺駅の北西には天王寺公園があります。天王寺公園内には大阪市立美術館や慶沢園、そして大阪市天王寺動物園などがあり、市民にとって憩いの場となっています。特に天王寺動物園は都市型の動物園として有名ですね。
また、駅に近い南東部のエントランスエリアには「てんしば」がオープンしました。フットサル・コートやドッグランがあり、また飲食店も充実しています。キタやミナミには見られない公園ですね。
さらに、NHK大河ドラマ「真田丸」で、真田信繫(幸村)にとって最後の戦いとなった大坂夏の陣「天王寺口の戦い」の舞台、茶臼山古墳があるのも天王寺公園です。
緑に恵まれた天王寺公園
新たなショッピングモール、あべのキューズタウン
天王寺&阿倍野で飲み会などをするときは、たとえ阿倍野側であっても「天王寺に集合」と言う場合が多く、阿倍野はややマイナーなイメージでした。しかし、それを一変させたのがあべのハルカスであり、2011年にオープンしたあべのキューズタウンです。
あべのキューズタウンは大型ショッピングモールで、中核には東急のSHIBUYA109が入っています。そのため、キタやミナミに流れていた若い女性客が阿倍野に留まることになり、この地区は一気に活気づきました。また、東急ハンズやイトーヨーカドーなどとも一体となっています。
あべのキューズタウン
阿倍野側には他にも、古くからある近鉄百貨店(現在はあべのハルカスの一部)、あべのHoop・and、あべのルシアス、あべのアポロなど、商業施設には事欠きません。
また天王寺側には、JRの天王寺駅と一体化した百貨店の天王寺MIOがあって阿倍野側と真っ向勝負、キタやミナミに劣らぬ商業競争を繰り広げています。
新旧が入り混じった天王寺&阿倍野の魅力
以上、天王寺&阿倍野にご案内しましたが、最大の魅力は新旧が見事に融合していることでしょう。あべのハルカスやあべのキューズタウンなどの近代的な施設がある一方で、緑と歴史に溢れた天王寺公園があったり、チンチン電車(阪堺電軌)が走っていたりと、そのミスマッチがたまりません。
みなさまも、この不思議な街を体験しませんか?
あべの筋の夜景
2017年1月27日