独特の文化圏・名古屋!未来の首都となるか!?~その3
名古屋テレビ塔へ
名古屋の旅・前回の「その2」では名古屋城へ行きました。では、栄に戻りましょう。地下鉄名城線に乗り込み、降りたのは栄駅の1駅前、久屋大通駅。ここにそびえているのは名古屋テレビ塔です(栄駅からでも行くことができます)。
東京タワーおよび大阪の通天閣と並び称される鉄塔で、高さは180mと通天閣(108m)を圧倒、名古屋のランドマークとなっています。もちろん、地上90mの展望台(スカイデッキ)からは名古屋周辺を一望でき、今年(2017年)は2月26日まで「STAR LIGHT FANTASIA」が夜に開催されています。
2月26日までの営業時間は、昼の部が10:00~17:30、夜の部が18:00~21:00で、展望料金は1,000円(中学生以下は500円)となっています(2月20、21日は休館)。
高さ180mを誇る名古屋テレビ塔
水の宇宙船
テレビ塔の展望台から真下を見ると、楕円形の不思議な物体がありました。これは、オアシス21という施設の屋根となっている水の宇宙船です。
オアシス21にはショップやバスターミナル、銀河の広場、緑の大地などがあり、その屋根として水の宇宙船が浮いています。
テレビ塔から見たオアシス21および水の宇宙船
早速、テレビ塔から降りてオアシス21に行ってみました。オアシス21の最上階には……、ありました。この楕円形が、水の宇宙船の正体だったのですね。
屋根には水が張られており、ヒートアイランド現象を軽減する効果もあります。また、井戸水や雨水を利用しているので環境にも優しく、氷蓄熱システムを導入しています。
下から見た水の宇宙船
では、水の宇宙船に登ってみましょう。屋根の外周は遊歩道になっており、不思議な空中散歩を体験できます。
真ん中には噴水があって、市民の憩いの場となっています。この日も大勢の家族連れが水の宇宙船でくつろいでいました。また、夜になるとライトアップもされるので、デートコースにもなっているようです。
多くの人がくつろぐ水の宇宙船。後ろはテレビ塔
夢の超特急、リニアモーターカー
オアシス21に別れを告げ、栄駅から地下鉄東山線に乗って約23分、終点の藤が丘駅に着きました。まだ名古屋市内(名東区)ですが、ここまで来るとさっきまでの栄の大都会風景から、閑静な住宅街となっています。
地下鉄を降りて、愛知高速交通(第三セクター)の東部丘陵線に乗り換えましょう。と言ってもピンと来ない人が多いと思うので、愛称のリニモと呼ぶことにします。
リニモとはそう、東京と大阪を約1時間で結ぶという次世代型の夢の超特急、リニアモーターカーの略です。2005年、この近くで愛知万博(愛・地球博)が開催され、その時に敷設されたリニモをそのまま営業路線としたのでした。
もっとも、使用されているリニアモーターカーは超電導リニアと呼ばれる500km/hもの速度の車両ではなく、100km/h程度しか速度が出ない常電導吸引型磁気浮上式というものです。
藤が丘駅に停車中のリニアモーターカー
とはいえ、最近の地下鉄に見られるような車輪式のリニアモーターカー(大阪市営の長堀鶴見緑地線や東京都営の大江戸線など)ではなく、磁気浮上式に変わりありません。もちろん、磁気浮上式鉄道として常設実用運転をしているのは日本でリニモだけです。
では、リニアモーターカーに乗ってみましょう。藤が丘駅は地下鉄が高架駅になっていて、リニモが地下にあるという、不思議な構造です。
車内は特に変わった様子はなく、新交通システムのような車両です。もちろん、特急券は必要ありません。
リニアモーターカーの車内
リニアモーターカーが出発しました。まもなく地下から地上に出て、既にそこは名古屋市ではなく、隣りの長久手市です。この地名を聞いて、歴史好きの人ならピンと来るでしょう。羽柴(豊臣)秀吉と徳川家康が一戦を交えた、小牧・長久手の戦いが行われた場所です。実際に、リニモの途中には長久手古戦場駅があります。
リニアモーターカーは、さっきまでの名古屋の大都会がウソのように、のどかな風景を走ります。藤が丘駅を出発して約17分で終点の八草駅に到着しました。ここでリニアモーターカーともお別れです。
リニモと接続する愛知環状鉄道の八草駅
未来の首都は現実化する!?
八草駅から愛知環状鉄道(三セク)に乗り換え、高蔵寺駅でJRの中央本線に乗り継いで名古屋駅に戻ってきました。これにて名古屋の旅は終了です。
名古屋城のような歴史的建造物があるかと思ったら、(水の)宇宙船はあるわ、夢の超特急(のようなもの)はあるわ、未来都市の姿も見えてきます。
名古屋は本気で、未来の首都を目指しているのかも知れません。
テレビ塔から見た名古屋周辺
2017年2月8日