ラグビーの街、下町ロケットの街……。山もそびえる大阪第三の都市・東大阪!~その1
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あらゆる貌を持つ東大阪
大阪市の東隣りに東大阪市があります。個性的な地名が多い大阪府の中で、そのままやん!的な市名ですが、なかなかどうしてバラエティに富んだ市と言えます。
人口は約50万人を数え、大阪市と堺市に次ぐ大阪第三の大都市ながら、都会風景と山間風景が同居する市です。それもそのはず、東大阪市は1967年(昭和42年)に布施市、河内市、枚岡市の3市が合併した市なのです。
東大阪市の中心部(旧:河内市区域)
最も都会的な街・旧:布施市
では、まずは旧:布施市区域にご案内しましょう。すぐ西隣りが大阪市で、東は大阪中央環状線(近畿自動車道)まで至る、東大阪市の中では最も賑やかな商業地区となっています。電話の市外局番も、大阪市と同じ06番です。
中心駅となるのは近畿日本鉄道(近鉄)の布施駅で、近鉄の大阪線と奈良線の分岐駅でもあり、一部の特急も停車します(快速急行は通過)。同市では最も乗降客が多く、市の最西端にありながら、東大阪市としても事実上の中心駅と言えるでしょう。
また、布施駅は近鉄百貨店と一体化されており、駅の北側には大型スーパーのイオンもあって、東大阪市最大の繁華街となっています。昔ながらの商店街も連なり、現在もその中にある元禄寿司の本店がこの地で創業したので、布施が回転寿司の発祥の地なのです。
近鉄百貨店と一体化した布施駅。駅構造は上が奈良線、下が大阪線という二層式
学生の街
大阪は大都会の割に大学が少ない、とよく言われますが、旧:布施市区域は近畿大学、大阪商業大学、東大阪大学、大阪樟蔭女子大学などが存在し、学生の街となっています。郊外にキャンパスを置くことが多い大阪の大学の中で、これらの大学は大阪市内からすぐ行くことができるという、非常に便利な場所にあります。
特に最近、元気なのが近大でしょう。マグロの養殖に成功して売り出した近大マグロが評判となったせいか、今や志願者数日本一の大学となっています。また、野球部をはじめとするスポーツも盛んで、多くの有名選手を輩出しています。
最寄り駅は、布施駅から近鉄大阪線の普通電車に乗って2つ目の長瀬駅です。
近畿大学本部となっている東大阪キャンパス
行政の中心・旧:河内市
では、旧:布施市区域から東へ移動して、旧:河内市区域に行ってみましょう。西側の大阪中央環状線から、東は大阪外環状線(国道170号線)に近い恩智川に至る地域です。
大阪中央環状線(近畿自動車道)と中央大通(国道308号線、阪神高速道路東大阪線)が交わるという、交通の要所に東大阪市役所があります。旧:布施市区域が商業の中心地なら、旧:河内市区域は東大阪市にとって行政の中心というわけですね。
最寄り駅は近鉄けいはんな線の荒本駅です。近鉄けいはんな線は大阪市営地下鉄中央線と直通運転していますが、近鉄の大阪線や奈良線とは繋がっていません。大阪線の俊徳道駅や奈良線の河内永和駅からJRのおおさか東線に乗り、高井田中央駅で地下鉄中央線に乗り換えると荒本駅に行くことができます。
東大阪市役所は堺市役所を上回る地上22階の高さを誇り、最上階には展望ロビーもあって、その眺望は絶景です。現庁舎は2003年に完成した比較的新しいもので、それ以前はもっと東にあった旧:河内市役所を東大阪市役所としていました。
なお、現:東大阪市役所およびその周辺の市外局番は06番ですが、それより東に行くと072番に変わります。同じ市内なのに、市外局番が東西で真っ二つに分かれるのは東大阪市の特徴です。
地上22階の東大阪市役所
便利で冊数豊富な大阪府立中央図書館
東大阪市役所から道を隔てた北側には、大阪府立中央図書館があります。国立国会図書館と違って誰でも出入り自由(国立国会図書館は無料登録が必要)、さらに大阪府内に在住・勤務・在学、そして近畿圏に在住の方なら貸し出しもOKです(国立国会図書館では貸出不可)。
しかも、本や資料が豊富にあります。また、新聞の縮刷版も多く揃っているため、調べ物をするのに最適です。これだけ資料点数が多いと全く飽きないので、筆者は「無料のレジャーランド」と呼んでいます(笑)。
豊富な資料が揃い、しかも気軽に利用できる大阪府立中央図書館
では、次回の「その2」に続きます。
2017年3月3日