何もなくはないです!日本最古の溜め池・大阪の狭山池に映える早咲きの桜
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「何もなくはない」大阪狭山市
「狭山」と聞くと、どの県を連想しますか? ほとんどの人は埼玉県と答えるでしょう。ところが大阪府南部、堺市の東隣りにも狭山があります。それが大阪狭山市です。1987年に狭山町から市制施行された時、埼玉県の狭山市と区別するため、頭に「大阪」が付きました。
しかし、狭山と言えば埼玉のイメージが強く、面積が非常に狭くて人口も大阪府で3番目に少ないなど、有名な市とは言えません。そこで、市内にある帝塚山学院大学の学生が、大阪狭山市をPRするために「何もなくはないです」というキャッチコピーのポスターを作りました。
その「何もなくはない」大阪狭山市の象徴的存在が狭山池です。市の面積は狭いのに、狭山池はかなり広く、大阪狭山市の大部分を狭山池が占める、と言えばかなり大袈裟ですが。
大阪狭山市の象徴、狭山池
日本最古の溜め池
狭山池は広いだけでなく、日本最古のダム式溜め池でもあります。築造年は飛鳥時代の616年、聖徳太子の時代ですね。つまり昨年(2016年)、築造1400年を迎えたわけで、大阪狭山市では記念イベントも行われました。
狭山周辺には大きな川が無く、水を確保するために狭山池が造られたわけです。飛鳥時代にダムのような貯水池を造ったのだから、当時の土木工事技術は優れていたのでしょう。
狭山池の歴史を知るには、池の北側に大阪府立狭山池博物館があるので、狭山池を訪れた際にはそちらに行くことをお勧めします。安藤忠雄デザインのユニークな建物の構造も楽しめます。入場無料で開館時間は10:00~17:00、休館日は月曜日(祝日の場合は翌日)および年末年始です。
安藤忠雄デザインの狭山池博物館
狭山池の周りには早咲きの桜
狭山池の見頃は、なんといっても春です。池の周りは桜並木となっており、しかも早咲きなので他の地域よりも早めにお花見を楽しむことができます。
特に早咲きとなるのは博物館の近く、池の北側にあるコシノヒガンです。年によって違いますが、3月下旬頃には満開となります。花見を待ちきれない人は、狭山池にぜひ行きたいですね。
狭山池の北側に咲くコシノヒガン
また、博物館の近くには、桜ではないのですがユキヤナギが植えられています。コシノヒガンが満開になる頃、ユキヤナギも見頃になります。つまり、全く違う2つの花を楽しめるわけですね。
博物館をバックに咲く、ユキヤナギとコシノヒガン
南側にはソメイヨシノも
では、狭山池の北側から反時計回りにぐるっと散歩してみましょう。と言っても、大きな池なので1周約2.8kmと距離がありますが、美しい桜を見ながら歩くと疲れも感じません。
北から西へかけての桜はコシノヒガンが多いので、ほとんどが早咲きです。もちろん、他の品種もありますが。
しかし、南側へ行くと桜の王者・ソメイヨシノが咲いています。こちらはコシノヒガンほど早咲きではなく、ほぼ標準の開花時期です。
南側のソメイヨシノ
東側にも多くの桜が植えられています。狭山池の東側と言えば、かつてはさやま遊園がありました。筆者も子供の頃はよく遊びに行ったものですが、現在は閉園となっています。
今では春になると、大勢の人がお弁当を広げて花見を楽しんでいます。ただし、狭山池ではバーベキューは禁止です。
かつては遊園地があった狭山池の東側
狭山池へのアクセス
狭山池の最寄り駅は南海高野線の大阪狭山市駅で、駅から西の方へ歩いて行くと約5分で狭山池の東側に辿り着きます。大阪狭山市駅へは南海の難波駅から河内長野・三日市町・林間田園都市方面行きの区間急行に乗って約25分、高野線の快速急行および急行に乗った場合は北野田駅で各停に乗り換えてください。
無料駐車場もありますが、花見の季節になると満車になるので、公共交通機関での来場をお勧めします。
狭山池の北堤を散歩する人たち
また、今年(2017年)は3月24日~4月2日までライトアップされるので(22時まで)、そちらもお楽しみください。そして、早咲きばかりではなく、遅咲きのヤエザクラも植えられているので、コシノヒガンやソメイヨシノを見逃した方は、4月中旬ぐらいに行くのもいいでしょう。
それでは「何もない」どころか、狭山池の見事な桜を大いに楽しめる大阪狭山市にどうぞお越しください。
博物館の周りの桜
2017年3月24日