リレー徘徊56:池田市彫刻の道を行く5〜五月山公園編
桜木通りの北側どんつきが五月山公園になります。春は花見、秋には紅葉狩りの名所になる公園です。公園各所のベンチが設けてあり、大阪平野を眺めつつお弁当を食べるに最適な場所です。五月山公園周辺にはコンビニや食堂があまりないので駅前商店街でお昼を買っておくのがいいかと思います。石の道作品1〜9番は山の上の方にあるので今回は根性無くパスしました。
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五月山公園概要
ほぼ全域が「山間」にある公園です。麓には駐車場が三ヶ所あり、動物園横にはこじんまりとした遊具公園に滑り台やジャングルジムや忍者迷路のあります。小さい子ども達が遊ぶにはピッタリです。
滑り台の上には「芝生広場」とありますが、野外音楽堂があるのみのほぼ土の広場でした。
番外作品1/鳩ぽっぽの歌碑
滑り台横にある歌碑です。「もういくつねるとお正月」や「雪やこんこん」「かちかち山」等、明治の童謡を作詞した「東くめ先生」をたたえる歌碑だそうで、調べると旦那さんが大阪師範学校(現・大阪教育大学)の校長をされていたので池田市に転居されたゆえにココに歌碑? 作詞は東京で行っていたようで…うーん、歌碑設置の意味付けの文脈が長い様な〜の前に碑文の鳥、鳩に見えないって?!
番外作品2/さくらの精
児童公園上の広場にある石彫作品で、石の道彫刻群とは別に設置された作品らしく、横にある説明板には「池田五月山さくらまつり第50周年記念・さくらの精・岩村俊秀作」とあり、リレー徘徊54の桜木通りに同氏の作品が2点「あそぶ風」と「わらう月」展示されています。一見、石のベンチ?と思えますが、表面に模様が刻まれています。光の具合によって刻まれた紋様が美しく浮かび上がりますね。作品をぐるっと回って一番良い光を探してみてください。
桜の花びらに囲まれて線描画が彫られています
一見、子どもの落書き? いえ桜の精の落書き…って感じでしょうか?
ちなみに五月山公園は、大阪みどりの百選に選ばれています
番外作品3/観世音菩薩像
さくらの精の作品前、道路を挟んだ向こう側、なんで公共の公園の一角に観世音菩薩像が?と不思議に思って見に行ってみたところ碑文には青少年のために願いを込めて昭和36年に建設されたとありますが〜?
そばで見上げると…中々の迫力であります!!
作者名は?〜菩薩像の後ろまわってみると睡蓮の台座に「樽谷健太郎謹作」とありました。樽谷氏は誰?と調べたら、富山県高岡市の出身で、昭和3年東京美術学校彫刻科卒(現東京芸術大学)、在学中に帝展初入選以後、連続8回入選文展3回、文展無鑑査出品、日展4回入選、日展依嘱出品などされた仏像を中心の彫刻家でした。
で、最初の「何故に公共の公園に宗教的なモノが?」の疑問への解答ですが、この像は「小林こう女史の篤志に基づき、願主で建設者は武田義三氏で〜」と碑文にあり。記載された人名を調べたら「小林こう(コウ)女史=阪急電鉄創業者・池田在住だった小林十三氏の妻」であり、武田氏は同じ時期の池田市在住の実業家で、小林十三氏の支援を受けていた…そら池田市が建設に反対できませんわなぁ〜で納得であります。
石の道作品10/五十嵐春夫作「THE GEOMETRIC ILLUSION」
石の道作品ですが、体育館横と遊戯公園したにあります。この作品は広い谷間にかかる橋の袂にあり、題名の和訳はズバリ「幾何学模様」、見たまんまの作品ですね。あまりのストレートさに日本語名をつけるのがカッコ悪かったのかな?なんて思ってしまいます。私的には「作品を通して風景が見える」って構成パターン、好きなんですよね。
余談ですが、昔、この深い谷付近は「おんばのほところ」と呼ばれ、
狐や狸、狢の類が棲む寂しく怪しい場所だったそうです
石の道作品11/曽我孝司作「動力質ー柱」
遊具公園下の辻、植え込みに立つ赤い柱がなんだかSFチックに見える作品です。ハローワーク前の作品と同じ作家で「重力質」という言葉がテーマなんでしょうね~赤い柱が目に見えない重力を表現しているんでしょうか。
次回は、池田城跡周辺の観光街歩きをご案内します。
2017年5月10日