【京都・木屋町通】まるで大正時代にタイムスリップしたような「フランソア喫茶室」
丁度桜の季節に開催される京都の「京おどり」。このサイトの別のコラムでご紹介したこともある、雅なその催しに今年も行ってまいりました。友よ、いつもお招きありがとう。
で。毎年その帰り、もしくは行く前に友人たちとおしゃべりと食事を楽しむのですが、今年行ったのは、こちら。京都木屋町通りにあります、老舗の喫茶店「フランソア喫茶室」です。
大正モダンのかほりする喫茶室
どう~です、この外装。昼間の明るい空のもと撮った写真だと言うのに、パリの裏通りにあるような日暮れ感。あ、これ褒めていますからね?
そして内装はもっと、日暮れ感たっぷりでした。
公式webサイトによれば、画家のフランソア・ミレーから名前を付けたというこのフランソア喫茶室。創業はなんと、昭和9年だそうです。「イタリアバロック様式の内装で豪華客船のホールをイメージしたもの」という事ですが、「真珠の首飾りの少女」や「モナ・リザ」の複製が飾ってある店内は、昭和というよりも大正モダンのかほりがします。
この日は土曜日で店内は大変混雑しておりましたので、自分達の席だけ撮らせて頂きました。
こちらの席は、入口側を入って右側にあるこぢんまりとしたスペースですが、入口からまっすぐ進んだ場所にある広めのスペースは良いですよ~。シャンデリアでもかけたくなる様な高い天井や壁は、ココでまだ煙草がすえていた時代の名残か、飴色。
ドーリア式かコリント式風の柱と同じ色の、チョコレート色をした木のソファに張られているのは、深紅のビロード。いや~。これはいつまでも長居してしまいそうな、内装です。事実、丁度ティータイムで満席だったとはいえ、我らの前に待っていたのは、たった2組。それもおひとり様ずつ。なのに、席に着くまで30分近く待ちましたかねぇ。
という訳で、待っていた分を取り戻そうと言う訳ではありませんが、自分の席をもう一枚。モッダ~ンな感じの、ステンドガラス。たぶん創業当時から、この窓を飾っていたのでしょう。
クッキーにマカロン、パイのセットまである…だと?
さてさて席に着いたらば、なにはともあれ注文を。と思いつつも、メニューに書かれたイラストが可愛らしすぎるので、ぱちりと一枚。
えぇっと、なになに? 喫茶店、失礼、喫茶「室」ですからケーキセットがあるのは当然として、クッキーセットにマカロンセット、パルミエ(パイ)セットまであるですと?
ううん、これは乙女を悩ますこしゃくなトラップですよ。残念ながらマカロンは好きではないので、それは外せるにしても、クッキーとは、あの入口レジの横にさりげなく置かれていた、手の平サイズのあれですね? そしてパイとはもしや、入り口前の壁に飾ってあった写真の、大きなイチゴの乗ったミルフィーユの事でしょうか?
あぁ悩むなぁ~~。しかも、しかも。タイトな黒いワンピース姿の制服姿が素敵な店員さんによれば、ケーキセットのケーキはレモンに洋梨のタルト、ロールケーキにザッハトルテ、ブランデーケーキにレアチーズケーキ、チーズケーキにニューヨークチーズケーキにアップルパイから選べると言うではないですか。
あ~うぅ~ん、どうしよう……。
結局、友人ともども散々迷って、わたしはケーキセット。それも洋梨のタルトにしました。うん。これでわたしが20代でしたら、別に3種類はケーキを頼んでいましたね。
友人のひとりはチーズケーキのセットを。もうひとりはクッキーセットをチョイス。
珈琲カップとソーサーはお店の文字とイラストの入った可愛らしいものでしたが、ケーキのお皿はそれぞれ別のものでした。それを見比べるのも楽しい。
おっと。鑑賞してばかりいては、せっかくの珈琲がさめてしまいますね。では、一口。
ふむ……ふむ!
お店のサイトに珈琲のこだわりとして、タレーランの例の名台詞「それは地獄のように熱く~」が掲げてありましたが、その台詞に恥じない濃い本格派の珈琲です。わたしが普段自宅で飲んでいるのも濃い目ですが、その1.75倍はありそう。
ケーキの方も聞きたいですか?
いやぁ美味しいものを文章で表現するのは、本当に難しい。「おぉ……洋梨のみずみずしさは決して失わず、しっとりとしたスポンジと洋梨のサクサクとした触感がまた」なんて、下手なグルメ漫画のような感想しか書けませんから。ケーキのお味は、ご自分の舌でお確かめ下さい。
フランソア喫茶室
住所:京都市下京区西木屋町通四条下ル船頭町184
営業時間:10:00~23:00
http://www.francois1934.com/index.html
2017年4月24日