冬の北綾瀬・しょうぶ沼から葛西用水親水公園 東京都足立区を歩く
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冬枯れの景色も素晴らしいしょうぶ沼公園
今回行ったのは、東京都足立区。東京23区の北東部に位置し、江戸時代は江戸近郊の農村として栄えた場所ですね。石高は2万石もあったとか。この広さで2万石とはかなりの生産性の高さだと感じました。
今はどこも住宅やマンションが建ち並んでいますが、至る所に当時の農村の面影が残っているみたい。それらを訪ねて、癒されようか、と…。
ウォーキングのスタートは、営団地下鉄千代田線・北綾瀬駅。そういえば、今までこの駅で降りたことはなかったのでした。歩くときはいつも、綾瀬駅を利用していましたからね。駅前を走る環状七号線から左に入り、高架ホームに沿って歩いていくと美しい公園があります。
ここが、しょうぶ沼公園。その名の通り、6月には8000株を超える花菖蒲が咲き乱れるらしい。この沼地は、もともと野生の花菖蒲が自生していたそうですね。
園内には、野趣あふれる裏見の滝や吊り橋などがあり、さまざまな景観を楽しむことができます。
大滝は、花畑川の水を使ったものだとか。園内にはせせらぎもあって、夏は子供たちの歓声で賑わうのでしょうね。
肝心の菖蒲園は、園の奥の方にありました。当然、花菖蒲は咲いていませんが、この冬枯れの景色もいいですね。茶色く色づいた杉林の美しさにしばし見とれてしまうのでした。
しょうぶ沼公園の見どころの一つ、三連水車とのコラボも印象的てすな。
都会の中で贅沢感を満喫できる谷中公園と大谷田公園
しょうぶ沼公園から、千代田線の高架をくぐって谷中公園を目指します。住宅街のど真ん中に、こんな広い野球場があるとはうらやましい。
環状七号線を渡り、次に向かったのは大谷田公園。こちらはなんと、住宅街の真ん中に広い芝生広場がありまする。都会では広い芝生広場で寝転がることが究極の贅沢。しかも、園内でバーベキューもできるのですか。
しかも、こちらの公園は、梅園もあって、園内にある約150本の梅のうち、約110本がこちらに植えられているそうですよ。
近所の方は、春には菖蒲と梅の花の両方が楽しめるのですな。
巨大な蔵のような外観の足立区立郷土博物館
大谷田公園から住宅街をテクテク歩き、足立区立郷土博物館へ向かいます。その名の通り、足立区の産業文化・歴史を紹介する博物館。
行った日は、残念ながら休館日でした。以前、見学したことがありましたが、かなり前なのでリニューアルされているかもしれませぬ。
前回、来たときは、郷土資料やクジラの骨の化石があったのを思い出しました。歴史博物館ではお約束の昔の街並みの復元模型や当時の農家を再現した展示もあったような。隣にあるのが、東渕江庭園。無料で入れる回遊式の日本庭園があるのですが、こちらも休み。博物館が休館のときは、こちらも閉園しているみたいですね。
一度、見学したことがあったので仕方ないと思いつつ、次の目的地を目指します。
かつての農業用水・葛西用水親水水路は快適なウォーキングが楽しめる
郷土博物館の前に流れているのが、葛西用水親水水路。かつては、葛西用水と呼ばれ、足立区や葛飾区を流れる農業用の水路だったらしい。
それを整備して、現在は、約3.5キロメートルの遊歩道が作られているのですな。歩道沿いに約290本の桜(ソメイヨシノ)が植えられ、春にはお花見とウォーキングのコラボが楽しめるそうですね。
夏や秋も、新緑や紅葉など季節感を感じながら歩くこともできるのだとか。それなら、冬の見どころは私が発見しようと意気込んで歩き始めます。ちなみに、親水水路の上流は水と生物のふれあい、中流は水と歴史のふれあい、下流は水と人のふれあいがテーマになっているそうですよ。知らないと、たんに水辺の散策になってしまいそうですが…。
どこからどこまでが、水と生物、歴史、人とのふれあいかわかりませんでしたが、水路沿いには色々な趣向が凝らしてあって楽しめます。
たとえば、河童のモニュメントとか、浮遊橋とか。ちなみに、水路には40本以上の様々な形の橋が架けられているそうですね。
葛西用水親水水路のシンボルタワー・銀河の塔
親水公園を歩いていくと、前方に未来的なイメージの塔が現れます。これが、銀河の塔ですか。そういえば、宇宙ステーションに見えなくもないですな。ちなみに、塔の高さは26メートル。
近くにあった解説板には、「葛西用水親水水路の完成を記念して作られたシンボルタワーで、21世紀に向けた聖火をイメージとしている」と書かれていました。
宇宙ステーションではなく、聖火ですか。
先ほどまで曇りだったのですが、雨がポツポツと降ってきました。塔には階段があり、上の方には庇があるみたい。思わず、階段を駆け上がります。雨宿りのために上った塔ですが、これまで歩いてきた水路や環七通りの大谷田交差点を見下ろすことができました。
今はどのビルからも眺めることができる普通の景色ですが、何といっても銀河の塔からの眺めですからね。行き交う車やトラックが宇宙船にも見えてくるのでした。
古代遺跡みたいな景観の東和親水公園
銀河の塔と一緒に作られたという大谷田地下道を通って、親水緑道を進みます。この辺りは水辺の近くを歩くことができるのですな。雨もあがったので気持ちよく歩くことができました。
しばらく行くと右手に大きな病院と、その隣に公園が見えてきました。この公園は東和公園というらしい。
これまで流れてきた葛西用水親水水路の水は公園のこの大きな池に引き込まれていくのですね。
これはバラですか。少し季節外れの感じがしましたが、セピア色の曇り空とピンクの花のコントラストがとてもきれいでした。公園の中央には古代遺跡みたいな壁があります。夏にはきっと、このライオンの口から噴水が吹き出す趣向が楽しめるのでしょうか。
豊富な水を利用して、夏にはじゃぶじゃぶ池が開設され、子ども達が歓声をあげながら水しぶきをあげる光景が見られるとか。
隣は病院があり、入院している患者さんも子供たちから元気がもらえそうだと感じました。
2017年5月2日