オシャレな街・南青山にある根津美術館と岡本太郎記念館 東京都港区を歩く

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オシャレな街・南青山にある二つの美術館

今回行ったのは、東京都港区南青山。

青山と言えば、青山学院に代表されるように、ハイソな街というイメージがありますね。確かに、表参道や青山周辺では、オシャレなカフェやブティックをよく見かけます。

青山には骨董通りがあるように、芸術的にも注目すべきスポットがあるのですよ。その中心になるのが、個性豊かな二つの美術館です。

都内のほとんどの美術館は制覇した私ですが、なぜかこの地域にある有名な美術館には行ったことがないのでした。それは、根津美術館と岡本太郎記念館。

今回は、それらをご紹介しようか、と。

岡本太郎のアトリエ兼住居のあとに作られた岡本太郎記念館

ウォーキングのスタートは、表参道駅。そこから8分ほど歩くと、骨董通りの近くに特徴的な装飾がなされた建物があります。ここが、岡本太郎記念館。

岡本太郎は、日本でもっとも有名な芸術家の一人でしょうね。大阪万博のシンボルであった「太陽の塔」や、渋谷駅にある巨大壁画「明日の神話」の作者として知られています。

美術館は川崎市にあり、こちらにあるのは記念館ですか。というのも、この場所は、岡本太郎が1996年に84歳で亡くなるまでアトリエ兼住居だったらしい。ここで、あの個性的な作品の数々が生み出されたのですね。

確かに、記念館の外壁も個性的ですな。元は住宅でもあったので、普通のブロック塀と庭からはみ出さんばかりの作品群が非日常感を醸し出しています。

岡本太郎が目を見開いて「芸術は爆発だ」と叫ぶ、かつてのテレビコマーシャルを思い出してしまいました。

ちなみに、入口で入館料620円を支払うとき、館内や庭の作品はすべて撮影していただいて大丈夫ですと言われました。聞かなくても、撮影OKですと言われたのは初めての経験。

そういえば、岡本太郎は、人としての自由や権利を侵害したり、権威を振りかざしたりする人が嫌いだったと聞いたことがあります。こんなところにも、権力に対する彼の反骨精神を垣間見た気がしました。

リビングや庭に、個性的な作品がいっぱい

前身は住宅なので、玄関で靴を脱ぎ、まずは一階のリビングへ。

当時のリビングは、岡本太郎の作品で埋め尽くされていました。

そこには、ご本人の人形も。

意外と小さいと思ったら、実際の身長は160センチなかったそうですね。

テレビで大きく感じたのは、人並外れたエネルギーがあったからでしょうか。

隣のアトリエは、思ったより狭く感じました。実際はそうではなく、巨大でエネルギッシュな作品がところ狭し、と並んでいるからかも。

岡本太郎は、絵画のほかにも多くの彫刻やデッサンを残しています。今も、作品を制作しているような臨場感を持って、使用した筆や絵具などが展示されていました。

2階では企画展のほか、岡本太郎本人のモノローグのビデオを放映していました。

岡本太郎の父は、有名な漫画家の岡本一平。母のかの子も有名な小説家です。有名人夫妻の長男として、何不自由なく成長して有名な芸術家になったと思っていました。

しかし、若い頃は、その芸術がまったく認められず、上に迎合しない性格とあいまってすごく苦労したらしい。それでも、死んでも妥協しては生きないぞと誓ったのですか。

今に残る作品群は、ギリギリまで追い詰められたところで生まれたそうです。縄文土器からヒントを得た独特の作風は、人の心のもっとも深い部分を刺激するような気がしました。

庭にも、さまざまな作品が展示されています。

岡本太郎は、この庭でこれらの彫刻を作っていたらしい。

港区青山産の作品は野趣あふれるイメージですが、どこかオシャレでハイソな感じがしました。でも、そのパワーは今も健在で、元気をもらえそうですね。

2020年東京オリンピックの新国立競技場と同じ設計者の根津美術館本館

岡本太郎記念館を出て、すぐ近くにある根津美術館へ向かいます。二つの美術館の接続は抜群ですが、根津美術館はわりと展示替えによる休館が多いので注意が必要ですよ。実は、今回の記事も、別の日に訪れたものなのでした。

根津美術館は、東武鉄道の社長などを務めた初代・根津嘉一郎の収集品を展示するために作られた美術館。

こちらも、かつては根津嘉一郎の私邸があった場所。さすが、根津財団の創業者だけあって、立地はもちろんその広さは驚くものがありました。

昔からある美術館にしては建物が新しいと思ったら、2009年に作られたものらしい。大きな屋根が印象的な地上2階・地下1階の近代建築は、なんと建築家隈研吾の設計によるものだとか。2020年の東京オリンピックの新国立競技場の設計者ですよ。

正門の近くでは、月の石舟と呼ばれる蹲が出迎えてくれました。

エントランスから本館入口に向かうルートは、右手に竹林を眺めながら進みます。

長い庇と左手にも竹が続く和風のデザイン。石畳を踏んで歩いて、茶室へ向かう趣向でしょうか。さっきまで南青山の喧騒の中を歩いていたとは思えないくらい落ち着いた気分になりました。

延べ床面積約4000m²の広い本館のホールのデザインも斬新ですな。ギャラリー前の1階ホールには、ガンダーラや中国などのエキゾチックな仏像が…。

館内は、絵画や書、青銅器、茶の湯などのテーマに合わせた6つのギャラリーが設けられていました。ギャラリー内は撮影禁止ですが、落ち着いた雰囲気の中で、貴重な美術品の数々を楽しむことができます。

もちろんガラス越しに見学するのですが、照明に工夫が凝らされているのかとても見やすかったです。これは、展示ケース内の照明をLEDやファイバースポットなどの最新技術が導入されているかららしい。

根津美術館八景が楽しめる庭園

美術品を堪能した後、根津美術館のもう一つの目玉である庭園へ。

こちらは、高低差を利用した美しい日本庭園。

立派な庭園に驚きましたが、この敷地は江戸時代、大名屋敷だったそうです。当然、立派な庭園があったところをさらに、根津嘉一郎が数年がかりでグレードアップしたのですか。

根津嘉一郎は茶人でもあったようで、庭内には個性の違う茶室が点在していました。

庭園の面積は17,000m²だそうですが、実際はもっと広く感じましたね。最近の都心周辺は、上を見ると高層ビルが顔を出していますが、この庭園はそういうことがあまりなく、深山幽谷気分が堪能できます。

やはり自然の傾斜という高低差が遠近感を演出しているのかも。

オーソドックスな池を中心とした日本庭園ですが、茶室4棟もあり、薬師堂などの建物のほか、石仏や石塔、石灯籠などが点在して濃厚なエンタメ空間になっておりまする。

庭園の魅力的な景観が八景としてまとめられているのですな。一つは、入口付近で見た月の石舟。もう一つ、天神の飛梅祠は、菅原道真像を祀った祠ですか。

薬師堂の竹林も八景のひとつ。孟宗竹と古風な建物のコラボに落ち着いた気持ちになりました。

ほたらか山は、観音さまが住む山という意味ですか。

池の中にある吹上の井筒からは、今も地下水が吹き上げられています。

1時間ほど庭園を巡ったら、一泊二日で古都を訪れたような充実感に浸ることができました。

2017年6月23日

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