日本海軍の鎮守府をめぐろう!呉・舞鶴・佐世保・横須賀の今
鎮守府って?と思われる方もいるかもしれません。鎮守府というのは日本海軍の拠点として艦隊の後方を統轄した機関。最近では人気のゲーム“かんこれ”によってこの鎮守府の存在が若者にも知れるところとなり、かつての鎮守府めぐりをする人も。今はもう鎮守府はなく地方総監部が置かれていますが、一部施設では一般の人が見学できる場所などもあり、今では立派な観光地として、ヲタさんからファミリーにまで人気です。
呉鎮守府
写真は旧呉鎮守府庁舎。イギリスから取り寄せた、当時としては大変貴重な赤レンガの瀟洒な建物です。今写真に写っている最上部のドームは戦火で失われましたが、平成に入ってから復元されました。庁舎の前にある立派な松の木は、連合軍に占領された際に「邪魔」と言われて剪定…というか切られてしまいました。そう言われてみると少し不自然な形にも見えます。
呉地方総監部は毎週日曜日に一般公開されています。呉駅からも歩いて15分ほどと、自衛隊の施設としてはアクセスが良い部類に入ります。
呉地方隊一般公開のページ http://www.mod.go.jp/msdf/kure/info/facilities/
舞鶴鎮守府
東郷平八郎が初代司令長官を勤めた舞鶴鎮守府があった今の舞鶴市には、当時の名残が多く見られます。見学できる施設としては北吸桟橋、海軍記念館、東郷邸、 第23航空隊などがあります。それぞれ見学できる曜日や時間が限られていますので、下調べをしっかりして午前中から行動することをおすすめします。だいたい15時で見学終了となりますので。
特に桟橋は人気で、護衛艦を間近で見られたり、甲板上から見学できる日もあります。中でも“補給艦ましゅう”の巨体は必見です。タイミングが会えば、アメリカのイージス艦が寄港していることも。ただしアメリカの艦船は間近での撮影が禁止されていますのでご注意ください。
舞鶴地方隊の見学のページ http://www.mod.go.jp/msdf/maizuru/kengaku/index.html
⇒舞鶴鎮守府に最寄りの京都の京都駅エリア着の高速バスはこちら
佐世保鎮守府
佐世保地方総監部には鎮守府当時の庁舎が残り、今も使われています。写真は佐世保資料館(セイルタワー)からの眺め。遠くに港と艦艇が見えます。
資料館はかなり内容が濃く、流し見するにはもったいないほどの展示内容ですので、時間配分は多めに見ておくと良いでしょう。展示品に関しては撮影が禁止されています。1階の入口に記念撮影ができる場所があります。おそらく自衛隊OBであろう係員の方が、気さくに「シャッター押しましょうか?」などと声を掛けてくれます。
佐世保地方隊の艦艇一般公開のページ http://www.mod.go.jp/msdf/sasebo/2_pr/1_kurasima/index.html
⇒佐世保鎮守府に最寄りの長崎の佐世保エリア着の高速バスはこちら
横須賀鎮守府
かつて横須賀鎮守府があった横須賀には横須賀地方総監部があります。ヴェルニー公園を挟んだ向こう側には米軍の横須賀基地が。2015年は3年に一度の観艦式ですからこの辺りもかなり賑わうことでしょう。
横須賀で是非訪れていただきたいのは、やはり戦艦三笠。今は“記念艦”なんて生ぬるい名前が付けられてしまっていますが(笑)、ロシアのバルチック艦隊を対馬沖で迎撃した東郷平八郎が指揮する連合艦隊の旗艦です。記念館三笠の内部は見所が多く、一つ一つ見ていると1時間ではとても足りません。充分な時間の余裕をもって見学して欲しい施設です。
⇒横須賀鎮守府に最寄りの神奈川の藤沢・鎌倉・戸塚エリア着の高速バスはこちら
女性のファンも多数
自衛隊や戦艦なんていうと、男性ファンばかりと思われるかもしれませんが、最近では意外と女性が熱心に見学しています。鎮守府めぐりに観光を組み合わせて周るのがおすすめ。筆者はすべて訪れていますが、観光で訪れるなら舞鶴あたりがおすすめ。呉なら1泊2日の旅程で江田島も組み込みたいところ。横須賀は2015年の観艦式が楽しみな場所でもあります。
※写真は今はもう除籍となった護衛艦“しらね”。一番奥の椅子には観艦式で小泉純一郎元総理が座られた。右側壁のフレームには小泉元総理のサインがある。
2015年8月19日