観梅ファン必見!東京からも、横浜からもアクセス抜群な大倉山梅林 横浜市港北区を歩く
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冬の終わりから春の初めにかけて訪れたい大倉山公園
今回行ったのは、横浜市港北区。
横浜市の北東部に位置し、現在、再開発が活発に行われている場所です。区の東部を東急東横線が背骨のように走り、そこを中心に住宅や商業地が発達していったらしい。東横線に乗っていると、車窓から広い川や小高い丘を眺められて、意外と自然が感じられる地域でもあります。
今回は、大倉山から鶴見川沿いの公園を巡り、横浜市営地下鉄の新羽駅を目指して歩こうか、と。自然観察にはまだ寒いと思われるかもしれませんが、ここを訪れるには「冬の終わりから春の初めにかけて」が一押しなのですよ。
それは大倉山公園の梅林の存在です。東京・横浜近郊では屈指の梅の名所として有名で、この時期には大勢の観梅客が訪れるのですよ。ここに多くの梅が植えられたのは、昭和6年、当時の東京横浜電鉄が集客による沿線開発の一環として、近くのお寺の土地を買収し、梅林を整備したからなのだとか。
江戸時代から続く梅の名所というわけではなく、わりと歴史は新しいのですな。ウォーキングのスタートは、東急東横線の大倉山駅。大倉山駅を出て、線路に沿って急な坂道を登って行くとすぐそばにあるのが大倉山公園。
松林の景観にマッチするギリシア神殿?がある
松が生い茂る日本的な景観の公園と思いきや、突然目の前に巨大なギリシア神殿と思しき建物が…。
これは、昭和7年に、「大倉精神文化研究所」の本館として建造されたらしい。実業家で後に東洋大学学長などを務めた大倉邦彦によって創設された研究所なのですか。
「精神文化研究所」というネーミングと建物の雰囲気はマッチしているような気がしました。もっとも、内容はよくわかりませんが。高さ25.5メートルの横浜市の文化財に指定されているという存在感のある建物は、現在、文化施設として利用されているみたい。中に入ると、重厚なホールがありました。天井からは金色の光が降り注ぐのが特徴だとか。
写真では見づらいですが、16体並んだテラコッタの獅子と鷲が見下ろしています。 建物の中では、写真展やさまざまな講演会、サークルの催し物などが行われていました。そこを出て、見晴らしのよい高台を歩いて行きます。大倉山というくらいだから、眺望も悪くはないですな。
開園当初は1000本を超える規模の梅林だった
公園は起伏があって、真剣に歩いていると結構息が切れまする。やがて、大倉山公園梅林という表示のある石を見つけました。
そこから見下ろすと、丘陵の中の窪地のような場所に梅の花が咲き誇っているのが見えます。
敷地面積は1.1ヘクタールだそうですから、それほど広くはありません。それでも起伏があるので、さまざまな視点から梅の花が眺められてお得感は高かったですね。
ちなみに、ここには紅梅白梅合わせて約20種150本が植えられているとのこと。でも、開園当初は1000本を超える規模だったらしい。
すごい人口密度ならぬ梅密度の梅林だったのですね。是非、当時の梅林の姿を見てみたいと思いました。
大倉山公園から鶴見川に向けては、なだらかな丘陵が広がっています。その崖下の道を歩くと、龍松院というお寺がありました。
ここが、大倉山公園のために土地を提供した寺院なのですな。さすがに歴史を感じる境内で、丘に抱かれるようにひっそりと佇んでおりました。
鶴見川の眺望が素晴らしい太尾見晴らしの丘公園
崖下の道をさらに歩き、表示板に従って階段を上ると、「太尾見晴らしの丘公園」があります。見晴らしの丘というくらいですから、眼下に大きく蛇行する鶴見川を眺めることができるのですね~。
それと、この公園は眺めだけでなく広々とした原っぱも大きな魅力。以前来たときは真夏だったので、直射日光ビンビンで大変でした。今の季節は、うららかな早春の日差しが心地よい。公園のシンボルとなっているエノキの巨木は、真っ青な空に栄養を届ける血管のよう。存在感ありますね。
ここにも、紅白に色づく梅の木を眺めることができました。
梅の木とコラボで眺める鶴見川の景観は、まさに、見晴らしの丘公園の名に恥じぬ雄大さがありましたね。
野外彫刻が置かれた緑道と広々とした鶴見川の堤防の道
太尾見晴らしの丘公園を下り、太尾堤緑道を歩きます。この緑道は、かつて鳥山川だった太尾堤排水路を埋め立てて作られたらしい。
緑道には、ところどころに野外彫刻が置かれていました。これらは平成元年に開催された第一回横浜彫刻展の受賞作品を展示したそうですね。 気持ちのよい緑道をテクテク歩き、右手に見えるスロープを上って太尾公園を通り抜け、鶴見川の堤防の上を歩きます。
近くの港北高校の女子高生が友達と話ながら歩いていました。こんな気持ちのいい通学路とはうらやましい。 新羽橋を渡って、今度は新田緑道をひたすら南下し、北新横浜駅近くの丘陵を目指します。
横浜市内とは思えない眺望の芝生広場
丘陵の下に位置する専念寺脇の小道を上り、新羽中と新羽小の間の道路を通ってようやく着いたのが新羽丘陵公園。
ここまで2時間近くノンストップで歩いてきたのでさすがに疲れました。見晴らしのよい芝生広場に腰を下ろし、新横浜の街を見下ろしながら缶コーヒーとコンビニスイーツで一服。
いや~、眺めよい場所で食べるロールケーキは最高っす。
茅葺の山門と茅葺の本堂がある西方寺
丘を降り、最後に向かったのが西方寺。
このお寺はおよそ800年前に鎌倉に創建され、その後500年くらい前にこの場所に移ってきたらしい。
茅葺の山門と同じく茅葺の本堂とは珍しいですね。
平成の大修理によって江戸時代の創建当初の姿に復元されたとのこと。横浜にもまだ、こんな趣のあるお寺が残っているのですね。
2016年3月2日