江戸時代の初期、京の北西にダ・ヴィンチが住んでいました!

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京の北西に平安時代から丹波、若狭へ続く「鷹峯街道」がありますが、この街道の先の一帯が「鷹ヶ峯」と呼ばれる地域で、この辺り江戸時代の初期、9万坪の広大な土地に、金工・陶工・蒔絵師・画家たちが集結した“芸術村”があり、ここにリーダーの「日本のダ・ヴィンチ」がいました。

 

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お土居1

直進しますと「鷹峯街道」となり、しばらく行きますと左に史跡「御土居」があります。

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史跡・御土居

近くで見ることはできませんが、御土居は秀吉が外敵に対しての備えと、鴨川の氾濫を防ぐため京の中心部の周辺を22kに及ぶ土塁を築きました。土塁の内側を洛中、外側を洛外と呼び各地につながる七街道には「京の七口」として出入口を設け、その一つ「長坂口」がここにありました。この辺りには当時広大な薬草園や珍しい野菜などが栽培されていましたが、元禄十五年頃には、商家が増え材木問屋、薪炭問屋などが営まれ「船のつかない港」とも言われた時期があったそうです。今その面影は残っていません。

ゆるい坂道が続く道を「鷹ヶ峯」へと参ります。

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光悦寺から源光庵、常照寺へと参ります

光悦寺

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光悦寺は大虚山と称する日蓮宗のお寺です。本阿弥家の位牌堂を光悦の死後の本法寺(日蓮宗本山)の日慈上人を開祖として寺に改めたお寺です。

「本阿弥光悦」は京都生まれで、生家が足利時代から「刀剣の鑑定」をしてきた名家で、幼いころから家業を通してあらゆる工芸に対して高い見識眼を育んでいきました。やがて光悦は高い見識だけでなく、四十代になった頃には、工芸家、書家、画家、作庭師、能面打ちなど様々な顔を持つマルチ・アーティストになっていました。すべてのジャンルで名品を残しています。従いまして「日本のダ・ヴィンチ」だと記した次第です。五十七歳になった時、元和元年(1615)に家康からここ「鷹ヶ峯」に9万坪の土地を与えられ、権力から離れ、当時の芸術家を集めて理想の「芸術村」を築き、ここで一生を終えています。

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本 堂

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                             太虚庵

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         了寂軒                  光悦の墓

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光悦垣(臥牛垣)

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光悦寺:京都市北区鷹峯光悦町29

源光庵

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貞和二年(1346)に大徳寺の徹翁義亨が隠居所として開きましたが、その後卍山道白が元禄七年(1694)に、京都には珍しい曹洞宗の寺として復興しました。

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本 堂

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庭 園

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伏見城の遺構として伝わる血の足跡がの残っている天井

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丸窓が「悟りの窓」で禅・円通の心を表し、四角窓は「迷いの窓」で人間の生涯の “生老病死” “四苦八苦” を表しているそうです。見比べてみて自分の心理を計るのに手前に座って「迷いの窓」から見るのがよいとか?

源光庵: 京都市北区鷹峯北鷹峯29

常照寺

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常照寺は元和二年(1616)身延山第二十一世で日蓮宗中興の立役者である「日乾」が、本阿弥光悦の寄進で創建し、当時は学僧数百人が学ぶ鷹峯禅林として栄えたそうですが、今はその面影はありません。現在は、六条三筋町の花魁「吉野太夫」ゆかりの寺として知られています。

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この「吉野門」または「赤門」と呼ばれている門は、吉野太夫が光悦の縁故により日乾に会って、帰依したことにより寄進した門と伝えられています。

4月第3日曜日には、太夫を偲んで「島原の太夫道中」や野点の茶会が行われます。太夫のいた遊郭は東本願寺の北にあった「島原」遊郭でしたが、その後現在の「島原」(下京区花屋町通大門西入上之町)へ移転させられ、芸妓や客の男女を問わず出入りが自由で賑わったが、やがて祇園、北野が賑わいはじめて廃れていった。島原の名はその頃に起こった「島原の乱」から付けられたそうです。

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本 堂

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茶室「遺芳庵」

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吉野太夫

吉野太夫は和歌、俳諧、書道、茶道、管弦などに秀でた太夫でありましたが、寛永八年(1631)36歳で若くして亡くなりました。

常照寺: 京都市北区鷹峯北鷹峯1

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