秘湯シリーズ1 〜雪と新緑の奥飛騨秘湯・湯元長座、これぞニッポン〜

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秘湯シリーズを始めます。第1回は岐阜県福地温泉の秘湯「湯元長座」です。北アルプスの山塊に抱かれた奥飛騨・福地温泉の名宿です。冬と夏どちらもすばらしく両方を紹介します。豪農古民家の梁を何年もかけて集め、昔ながらの佇まいを再現した宿です。冬でも館内は床暖房で快適。内湯、露天風呂、貸切風呂、歩いていく川沿いの露天風呂と多彩な温泉、そして奥飛騨料理を囲炉裏でいただきます。

冬の佇まい

雪に埋もれた温泉宿は夜になると明かりが雪に溶け込んで一層美しくなります。しんしんと降積もる雪、その中を歩いて宿に入ります。

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夕刻になると、屋根には深々と積もった雪の下で、暖かく灯る窓の明かりが心落ち着きます。

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外は零下、氷柱と雪の世界、でも館内要所は床暖房が整備されていて快適です。ぬくぬくと外の雪景色を楽しめます。これは贅沢です。

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館内は重厚な古民家のテイスト

玄関に一歩足を踏み入れるとそこには、豪壮な古民家が現れます。その象徴は、どんな豪雪にも耐えられる巨大な梁です。

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ロビー横が囲炉裏の間です。囲炉裏には絶えることなく薪が焚かれ、煙が静かに天井に登り空へ帰って行きます。静寂の世界です。

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冬の露天風呂は寒いから遠慮したいという方もいるでしょう。でも、これが絶対オススメです。写真の露天風呂は女性用です。新雪の降り積もった中、空気は冷たく肌を刺しますが、一旦、身を沈めればほかほかと適温で少しも寒くはありません。

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貸切風呂は3つありますが、いずれも内風呂と露天風呂の両方を楽しめます。これなら外国の方でもカップルでも、まったりと静かな時間を楽しめます。なんとも贅沢な時間ですね。

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夏の佇まい

冬の雪に代わって、夏は圧倒的な緑に埋もれます。奥飛騨の山里では都会らしさは一切排除されていて、喧騒も雑踏もありません。あるのは緑だけ。その緑が体に染み入ってきます。

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豊富な湯が注がれる内湯には二つの湯船があって、源泉が流れ込む湯船と、木で隔てられ少しだけ温度が下がった湯船が連なります。巨木の柱が天井に伸びていて、開放的なガラス張りから見える森に癒されます。

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露天風呂(写真は男性用)は林の中にあり、お湯はふんだんに注がれています。冬とは全く異なった趣です。写真で見るより大きい露天風呂です。降り注ぐ光、注がれる豊富な源泉で思いっきりストレッチします。

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歩いていく川原の湯は徒歩3分、川のすぐ横にあって窓はありません。夏は涼風が心地よく、冬は寒いですが湯船に入ってしまえば問題ありません。屋外の光が差し込み、お湯がその光を照り返します。

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奥飛騨料理を囲炉裏でいただく

地の素材を活かした、奥飛騨料理を夕食も朝食も囲炉裏でいただきます。山菜やキノコなど地の素材を活かしたヘルシーな料理です。

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囲炉裏で炙っていただくのは飛騨牛、鮎、五平餅。いわゆる和風バーベキューです。好みの焼き加減でいただきます。飛騨牛はレアでもいただき、鮎はじっくり火を通していただきけます。

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湯元長座の歴史

福地温泉の地域はかつては農林業でした。実は地域の方々は川岸でお湯が湧いていることは知っていました。というのは、夏には川で魚を手づかみで取っていた時、岩の奥に手をいれるとそこは暖かいお湯だったそうです。

ならば露天風呂を作ればいいと誰しも思うでしょう。ところが、この川は激流となって暴れることでも有名。アルプスに落ちた雨が一挙に集約するので大変な暴流で、このため温泉を利用する手立てがなかったそうです。

ところが、地下から温泉をポンプで汲み出す技術が普及し、温泉を身近に利用できるようになってきました。それで温泉旅館を始めることになりました。当時は普通の温泉宿でしたが、長座の館主は豪農古民家の梁を使って奥飛騨らしさが引き立つこの宿を建てられた。

これが奥飛騨温泉ブランド確立の草創期です。このテイストをお手本に皆さんがセンスのいい宿を造って来られた。振り返ると技術革新(ポンプ技術)がこの50年で新しい産業を産んだことになります。

そして豊富な湯量を活かした福地温泉ができました。交通期間は松本や飛騨高山からはバスで平湯温泉乗り換え。冬でも安心で連泊したい宿です。

館主は何もない所と言われますが、都会と田舎ではあるものとないものが逆転しているのです。

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2015年10月12日

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