リレー徘徊22 チン電が行く〜鉄ネタ編(大阪市&堺市)
阪堺電気軌道株式会社(株主:南海電気鉄道株式会社が100%保有)、通称「ちん電」と呼ばれる大阪市の天王寺と堺市の浜寺公園を結ぶ路面軌道&専用軌道を走るちんちん電車であります。歴史は古く、上町線は明治30年5月馬車鉄道として開業、阪堺線は明治45年4月に大阪市~浜寺村間および堺市宿院~大浜間の2路線が開業したそうです。
沿線は、大阪の大阪らしい下町で、昭和の風景があちこちに残った路地徘徊愛好家のパラダイスになっています。今回は、堺市側の終点・浜寺駅から大阪市内へ「鉄ネタ」をメインに辿ってみます。
Index
路線
路線は「天王寺駅前⇔浜寺駅前の上町線」と「恵比寿町⇔我孫子道(あびこみち)の阪堺線」の2路線です。ダイヤモンドクロスで有名だった「住吉⇔住吉公園」というめちゃくちゃ短い路線区間がありましたが2016年1月31日に廃止になりました。
この廃止区間が載っている路線図を参考に上げておきます。今の路線図はコチラをご覧ください…さほど変わっていませんが(笑)
車両&車内&車窓
基本は一両編成で色々な形式の車両が走っています。車体全体に広告が…そのデザインに合わせて色々なカラーの電車が走って見ていて飽きないですね。車内は対座シート、運転席が丸見えで子どもの頃に乗った大阪の市電を思い出しましたね。
ノスタルジックな昭和の大阪が過ぎてゆく車窓の風景を愉しむなら全線フリーで乗車できる「全線1日フリー乗車券 てくてくきっぷ・大人600円」が便利です。このフリーきっぷ、駅の他、車内でも販売しています。
浜寺公園駅
では、坂市側の終点「浜寺駅」からスタートです。この駅の見所は、なんと言っても「南海電車・浜寺公園駅舎(2016年1月28日に終業)」、この駅舎、東京駅丸の内駅舎の設計で知られる辰野金吾氏設計で、明治40年(1907年)に建てられ、平成10年(1998年)に国の登録有形文化財に登録され、第1回近畿の駅百選選定駅されたという有名な建物なんですね。
この駅舎は、解体せずに曳家工法で約30メートル駅前広場に移動&保存し、新しいの高架駅舎完成予定の2027年に駅のエントランスとして復活する計画です。
大和川の鉄橋
浜寺駅を出て堺市の中心部の綾ノ町~御陵前では紀州街道(大道筋)を走り抜けると大和川を渡ります。この川に掛かる鉄橋は、大阪に現存する鉄道用の鉄橋として古くなんと明治44年(1911年)製、阪堺電車創業時から100年以上前から架かっていたんですね!!構造は英国式で、大阪府の近代土木遺産にも登録されています。
この鉄橋を渡る夕日に照らされる阪堺電車、ええですよ〜♪
我孫子道駅~動態保存の京都市電車両あり
我孫子道駅の踏切から車両基地を撮っていたら「あんなぁ〜京都市電廃止にあたり車両を購入して走らせたんやけどな、遅くて後の電車がつかえたんでお蔵入りになったんやで。今も我孫子道の車両基地に置いてあるんや」と地元のおっちゃんがいきなり教えてくれました。
カメラをズームアップしてみると…おお、京都市電やん、完璧な形の動態保存やん〜♪
恵比寿駅と通天閣
阪堺線の終点は恵比寿駅。この駅名を聞いてもピンと来ない方、下の写真を見たら「あ、通天閣やん!!」と場所が分かるかと思います。終点駅、改札でてすぐに通天閣がでーんといてはりますぅ〜♪
写真は「住吉⇔住吉公園」が廃止される前の行き先案内表示です。現在、浜寺駅前行き直通は上町線の起点・天王寺駅前から出ています。
天王寺?or阿部野?or阿倍野orあべの
阪堺電車は「天王寺駅前駅」、JRは「天王寺駅」、隣接する近鉄は「大阪阿部野橋駅」、地下鉄御堂筋線は「天王寺駅」で、地下鉄谷町線は「阿倍野」になっています。初めて訪れた人にはややこしい話です。
天王寺駅名は、JR駅の北側にある「四天王寺(してんのうじ)」からの由来、阿倍野橋駅は、大阪市天王寺区悲田院町と阿倍野区阿倍野筋を結ぶ谷町筋にあるJR西日本関西本線・大阪環状線を跨いでいる阿倍野橋からの由来で、この橋の名前は、四天王寺から住吉大社へ至る阿倍野街道に由来します(じゃあ、阿倍野って?)。古代にこの地を領有していた豪族「阿倍氏」の姓からとする説有力だそうです。阿倍氏というのは…これは次回の宿題にしておきます。かの歴史の有名人に繋がる氏名です。
ちなみに下記の建物の名称は超高層ビル「あべのハルカス」〜んんん???ややこしいので平仮名表記にしたんでしょうかね?
次回は、阪堺電車の沿線名所・謎所・迷所をご案内しますね。
2016年7月26日