金魚のための城下町!?「夏祭り」を生んだ奈良・大和郡山
リニア中央新幹線が通る?大和郡山
郡山と聞くと、どこを思い浮かべますか?多くの人は、新幹線が停まる福島県の郡山市を連想すると思います。しかし、実は奈良県にも郡山があるのです。それが奈良県北部、奈良市の南隣りにある大和郡山市です。
全国的にはあまり知られてませんが、大和郡山市はリニア中央新幹線の新駅を誘致しています。もしリニア新駅が大和郡山に誕生すれば「郡山と言えば奈良県」というイメージになるかも知れません。
リニア中央新幹線の新駅誘致をアピールする大和郡山市役所
金魚の街・大和郡山
大和郡山は奈良県を代表する城下町です。市の中心街にある、昔から続く古い街並みが実に情緒的です。その中で、大和郡山市役所辺りから南へ延びる柳町商店街を散策してみました。
情緒的な古い街並みが続く柳町商店街
商店街の入口から南下していくと「きんぎょcafé~柳楽屋・陽だまり~」というカフェがありました。きんぎょって、金魚のこと?たしかに看板には金魚の絵が描いてあります。
実は、大和郡山は金魚の街なのです。江戸時代から金魚の養殖が盛んで、現在では全国金魚すくい選手権大会が行われています(2016年の開催日は8月21日)。
きんぎょcafé~柳楽屋・陽だまり~
では「柳楽屋」に入ってみましょう。おや?店内には金魚の水槽が!ご丁寧に金魚の種類と説明まで書かれています。
店内のあちこちにある金魚の水槽
他のテーブルを見ると……、あ、金魚の水槽になっているテーブルがある!なんと、金魚の上でお茶や食事を楽しめるのです。そこに座っていたお客さんが帰った後、店員さんに無理を言って写真を撮らせていただきました。
金魚が泳いでいるテーブル
★きんぎょcafé~柳楽屋・陽だまり~
●奈良県大和郡山市柳2-22
●営業時間:火~金:11時から16時、土・日:11時から14時半
仰天!金魚が泳ぐ電話ボックス
「柳楽屋」を出てさらに南へ歩くと、金魚休憩所という看板がありました。金魚って、泳ぐのも休むのも同じ水の中なのに、なんで休憩所が必要なんだ?あ、金魚が休憩するわけではなくて、金魚グッズを置いている、人間の休憩所か。
金魚休憩所
さらに南へ歩けば、ガソリンスタンドらしきものが見えてきました。でも、給油設備がありません。その隣りには、何やら赤い物がいっぱい浮いている電話ボックスが……。
怪しげなガソリンスタンドと電話ボックス
電話ボックスを覗いてみると、なんと金魚がいっぱい泳いでいる!僕は夢を見ているんだろうか……。
金魚が泳ぐ電話ボックス
実は、閉店になったガソリンスタンドを改装した「K COFFEE」というカフェで、ここのご主人が設置した金魚が泳ぐ電話ボックスなのです。もちろん中は水で満タンなので、電話はかけられませんが。
それにしても、電話ボックスにまで金魚が進出するとは、大和郡山は金魚のためにあるのか!(高校野球実況の植草貞夫アナ「甲子園は清原のためにあるのか!」のパクリ)。
間違って電話をかける人は……、いないでしょう(笑)
★K COFFEE
●奈良県郡山市柳4-46
●営業時間:10時から17時(定休日:木曜)
郡山城跡と夏祭り
城下町というからには当然お城があるわけで、市の中心部に郡山城跡があります。ここは大坂夏の陣が決着する直前に郡山城の戦いが行われた場所です。
城跡なので天守閣はありませんが、城内に入ることはできます(天守台は工事中のため現在は立ち入り禁止)。
郡山城跡
桜の名所としても知られ、日本さくら名所100選にも選ばれており、毎年春には「お城まつり」が開催されます。
夏になると郡山北小学校で「やまとの夏まつり」が行われます(2016年の開催日は8月6日)。郡山城をバックに500発の花火が打ち上がるという、奈良県では有名な花火大会でもあります。
夏祭りと聞くと、名曲「夏祭り」のメロディが脳裏に流れませんか?色々なアーティストがカバーしていますが、オリジナル曲を歌ったバンド、JITTERIN’JINN(ジッタリン・ジン)の故郷が大和郡山なのです。
きっと「やまとの夏まつり」の体験を元に、あの曲を作ったのでしょう。郡山城の向こうの空に消えていった花火を思い出しながら……。
ジッタリン・ジンを生んだ大和郡山
大和郡山へ行くには
今回、紹介した各所へ行くには、近鉄橿原線の近鉄郡山駅が最寄り駅となります。JR利用の場合は関西本線(大和路線)の郡山駅からになりますが、上記の場所からは離れています。ただ、奈良駅の隣り駅であり、快速も停まり大阪市内からでも乗り換えなしで来られるので、その点では便利です。
また、東京・千葉・神奈川方面から来られる方は、近鉄郡山駅まで直通で行くことができる夜行バスがありますので、そちらを利用すると安くて便利です。詳しくはバスサガスで検索してください。
2016年7月22日