【金町】古典銭湯で無料サウナ…からの…飲み屋天国で焼酎の牛乳割り!?
JR常磐線の金町駅というと、どんな町を想像されるだろうか。
電車から見えるイトーヨーカドー屋上にある自動車教習所がインパクト大だが、最近では北口に大学が誘致され、高層マンションがニョキニョキと建ち始めた。ここはかつて三菱製紙の巨大工場があり、古紙を再利用するために用いられた蒸し釜が錆びた状態で暫く放置されていたのを車窓から見たことある人も多いと思う。
かつてはこうした工場がある街で、そこの労働者に向けられて栄えたからだろうか、名残的に駅周辺には古くからの飲み屋が多く見受けられる。となれば銭湯だってあったわけで、ひとっ風呂浴びて一杯ひっかけるには最高のロケーションではないだろうか。
金町湯
とはいえ、銭湯も今では少なくなってしまい、駅界隈で唯一残ったのが金町湯。駅南口も再開発でアーケード商店街は大半がなくなったが、線路に沿って西に伸びる路地には模型屋や飲み屋といった小規模商店が結構残っている。
この路地の先に、お寺のような千鳥破風の古典的な東京銭湯が見えてくる。
入ってみてビックリ! 開店時間すぐでほぼ一杯という盛況っぷり。で、入口からしてもう立派。傘立てで隠れているが招き猫のタイル絵まである。
男湯女湯の磨りガラスの下、番台で代金を払い、脱衣場へ。ちょっとした庭も見えて、頭上は焦げ茶色が渋すぎる格天井。浴室のペンキ絵も富士山で、施設の全てが古典銭湯の王道と思いきや、サウナがあってこれが何と無料! スチームサウナにしてはやや熱めで3人程の広さながら、これが実に気持ちいい。
大小2つある湯船はすべてに緑色の入浴剤が入っているが、42℃程と銭湯としてはぬるめで、久々に銭湯で長湯してしまった。
入浴後は庭近くの窓辺で夜風に当たりながらマッタリ。精神的な気持ちよさがある。こんなに活気あって現代の息づいている姿に只々驚嘆するばかりだった。
●金町湯
葛飾区金町5-14-9 15:30~22:30 木曜休
http://www.1010.or.jp/map/item/item-cnt-256
太助
再び駅前に戻ると、南口ロータリーに面した一角、チェーン系の店舗が建ち並ぶ中、見落としてしまいそうな明治牛乳の庇看板がある。
この滝沢牛乳店、現役なのか分からない程にやや奥に引っ込んでおり、手前の煙草の自販機しか目立たない。しかし夕方になると突如として隣のサッシに赤提灯が灯る。
戦後すぐからという牛乳店が営んでいる居酒屋で、中に入ると、縦に長い使い込まれた木のカウンターがスッと伸びる、焦げ茶色に染まる下町大衆酒場然とした狭小空間。カウンター上に並ぶ焼酎の数々がとりわけ目を引く。
奥のテーブル席は結構広くて、壁中に手書きのメニューがズラリと張り巡らされており、焼き鳥が70円とか異様に安くてビックリ。
まずは狙いを定めていたミルクハイを。380円。
銭湯で湯上がりの後と来れば牛乳でしょ! さすが牛乳屋が営むだけあって、焼酎の牛乳割りなんてのが楽しめる。牛乳臭くない飲み口さっぱりの牛乳で、あまり焼酎感がない。しかしこれが危険で、飲みやすいからグイグイいけてしまう。
これに合わせるのは煮込み。250円。
小鉢ながら、茶濁した濃厚そうな汁に溢れんばかりのモツ、そこにタップリ刻みネギが盛られている。モツは脂身のないものでトロトロながら非常にサッパリ。焼酎が進んじゃってこれはヤバイ!
さて二杯目は、この店イチオシの乙類焼酎を炭酸割りにしてくれるのを頂いて、サクサク感の強いとり唐なんかをツマんだ。湯上がりの身体には実に染みすぎる品々ばかりを〆て千円チョイで楽しめる贅沢が牛乳屋の隣りにあった。
●太助
東京都葛飾区金町6-5-6
https://tabelog.com/tokyo/A1324/A132403/13064915/
さて二軒目行きますかと思えば幾らでも魅惑的な店がある。風呂の後にこのコースは余りに誘惑が過ぎる。どこで自制をかけるか…金町は己が試される、オジサンにはキケンな町なのだ。
2016年10月20日