古代の一等地は、現在も魅力的な観光スポットがいっぱい 千葉県市川市・船橋市を歩く

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オシャレな洋館と日本画のミスマッチが面白い東山魁夷記念館

今回も、千葉県市川市と船橋市を歩きます。前回は、日蓮宗の五大本山の一つである法華経寺にお参りし、歴史的な建造物を堪能したのでした。

以前来たときは、法華経寺から奥之院へ向かったのですが、先日、初めて訪れる一押しの観光スポットがあるのを知ったのですよ。

…ということで、地図を見ながら、住宅街をテクテク歩いていくと、ハウステンボスのような建物が…。

ここは、市川市東山魁夷記念館。ドイツに想を得た西洋館なのだとか。日本画家の東山魁夷は、さまざまな美術館で作品を見たことがあって、作風は知っていました。それにしても、なぜ日本画家の美術館が洋館なの?

中に入って、東山魁夷の略歴を見たら納得しました。若い頃、ドイツへ留学していたことがあり、その体験が、魁夷の人間形成と芸術の方向性の両方に影響を与えたらしい。

この美術館は、2005年の11月に開館。市川市との関係は、1945年から1999年に逝去するまで約50年間に及んだのですか。

一階には、東山魁夷の人生を追体験できる展示コーナーが設けられており、独特の作風が生み出された経緯を知ることができます。個人的には、文章家でもあった魁夷の作品の生原稿に注目しましたね。川端康成とも親交があったそうで、晩年のヨーロッパでの旅行記など興味深く見学しました。

二階は作品の展示室になっており、行った日はヨーロッパの風景画が展示されていました。油絵の風景画とは違う独特の透明感がいいですね。

カフェレストランやミュージアムショップもあり、信州にある高原の美術館の趣でした。

鎌倉武士の居館の面影が残る奥之院

美術館を出て、次に向かったのが、法華経寺の奥之院。

法華経寺とは、住宅街や商店街によって隔てられた若宮と呼ばれる場所にあるのですか。同じお寺なのだから法華経寺の境内にあるべきではないか、と思ったのですよ。

実は法華経寺は、室町時代に、この若宮の地にあった法華寺とさきほど訪れた場所にあった本妙寺が合併してできたお寺らしい。どちらも、前は武士の居館だったそうですね。

とくにこの若宮の居館の主であった富木常忍は、北条氏や他宗から弾圧を受けた日蓮をかくまい、のちに出家して日常を名乗り、自邸を寺院にしたそうな。

確かに、この奥の院の周りは、鎌倉武士の居館の面影を残している。それほど広くはないのだけれど、まわりをぐるっと取り囲む土塁が残されています。この土塁に囲まれた一画に、かつて日蓮さんがいたのですか。

当時の鎌倉武士の館をイメージしながらまわりを歩きました。住宅街のど真ん中に、鎌倉時代の館の痕跡が残っているなんて…。

う~ん、ロマンですね~。

年末のビッグレース「有馬記念(GI)」で有名な中山競馬場

再び若宮商店街に出て、ひたすら歩くと、巨大な建築物が目の前に現れます。

ここが、かつて売上高世界一となってギネスにも認定されたという、年末のビッグレース「有馬記念(GI)」で有名な中山競馬場。中には入らなかったのですが、その威容に、レースの興奮がここまで伝わってくるよう。

ちなみに中山競馬の起源は1907年、現在の千葉県松戸市につくられた松戸競馬倶楽部だとか。その後、1919年(大正8年)に、現在の市川市若宮へ移転したらしい。

中山以外の競馬場へは1~2回しか入ったことがないけれど、緑の芝生を背景に疾走する馬の美しさに感動したことを思い出しました。

中山競馬場の近くを走る市道沿いは桜並木が見事でした。きっと春になると、近くの競馬場の大歓声で、桜の花びらが舞い上がるのかもしれませぬ。

直径1キロ近くの円形の土地にある行田公園

JR武蔵野線の高架の下をくぐって次に向かったのは、行田公園。

この近くを地図で見ると、直径1キロ近くある円形の土地になっているのですよ。周回道路に囲まれたこの一帯は、大正の初めに旧海軍の無線基地がおかれていたとか。

周りの道は微妙に円を描いているのがわかります。

よくわからないけれど、中心に巨大なレーダーでも置かれていたのでしょうか。戦後は米軍の管理地となり、昭和41年に返還されましたらしい。

行田公園は、その跡地の一部に、昭和47年から整備を進め、昭和54年度に全域開園したとのこと。

公園の中心を貫く道によって東西に分かれており、それぞれ扇形の形をした東西の公園は歩道橋によって結ばれている。

こんな広々とした芝生の広場が近くにあったら最高ですね。私の好きなアスレチックの器具がいたるところにありましたよ。

運動をする中高年の人たちも多く、かなりのアスリート揃いなのには驚きました。

古代のラブロマンスの舞台?飛ノ台史跡公園 

行田公園を出て、最後に向かったのは飛ノ台史跡公園。

こちらも、初めて訪れる公園ですが、前回来たとき、なぜ見落としてしまったのかと思えるくらい興味深い観光スポットでした。史跡公園と博物館がコラボであるのもいいですね。

…ということで、まずは屋外の史跡公園から見学します。ここは無料で見学できるのですな。実際の遺跡上に、発掘当時の状態を再現したレプリカが作られているらしい。

解説板によると、ここ飛ノ台貝塚は、約7千年前の縄文時代早期の遺跡なのだとか。当時の飛ノ台貝塚は、海と山の両方の幸に恵まれた最高の生活環境だったのですか。

縄文時代早期でありながら、定住生活を始めていたそうで、この辺りはよっぽど暮らしやすかったのでしょうね。今も、すぐ近くに巨大ショッピングセンターがあり、公園もたくさんあったりして住むには魅力的な場所かもしれませぬ。

ちなみに、この遺跡が全国的に注目されたのは、平成5年、合葬人骨が発見されたときだとか。それは、男女2体の埋葬された人骨で、抱き合った状態で発見されたらしい。

二人は夫婦または兄妹だと考えられているそうですが、当時の風習として、同時に埋葬されるの珍しいですな。縄文のロミオとジュリエットのようなシチュエーションをイメージしてしまいまする。

ここでは、現在までに住居跡が25軒(竪穴住居跡21軒、小竪穴4軒)、 炉穴およそ430基、貝塚約40ヶ所が発見されているそうな。

博物館は、入館料100円とリーズナブルなのがうれしいですね。2階の展示室では、飛ノ台貝塚で発掘された遺物を中心に展示されていました。

当時の復元住居もあって、中はなかなか快適です。一度、縄文人の気分で止ってみたいと思うのでした。

もっとも、博物館の中にあるから暮らしやすそうなので、実際は虫が入ってきたり、暑かったり寒かったり大変なのかもしれませんが…。

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2017年1月17日

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