古代と近代を兼ね備えた大阪第二の都市・堺市!【堺市駅~堺東駅編】
歴史に溢れた街
大阪市から大和川を隔てて南側に堺市があります。人口は約84万人を数える大阪第二の大都市で、政令指定都市でもあります。なにしろ、堺市よりも人口の少ない県が7県もあるのです(2016年現在)。
日本史の教科書には、世界最大級の陵墓である仁徳天皇陵(大仙陵古墳)が堺市にあると記され、また中世には堺港を中心に「東洋のベニス」と呼ばれたほどの世界に冠たる自由都市で、堺商人が全国に散らばって各地を繁栄させた、とも書かれています。
中央のやや右側にある小高い丘が仁徳天皇陵
しかし、その割りには堺の全国的な知名度は低いように感じます。その理由として、江戸時代に行われた大和川の付け替えによって堺が大坂中心部と分断されたうえ、大和川が運ぶ土砂によって堺港が港としての機能が半減し、堺の地位が下がったことが挙げられるでしょう。
さらに、明治時代に敷設された国鉄(現:JR)の東海道本線のコースから堺が外れたことも影響していると思われます。大阪旅行に来ても、堺まで足を運ぶ人は少ないのではないでしょうか。
そして、現在では堺市を走っているJRの阪和線、南海高野線、南海本線、路面電車の阪堺電気軌道がいずれも大阪市に向かって伸びており、堺市同士による横の繋がりがないので、堺市は大阪市のベッドタウンになってしまった感があります。
堺東駅に停車している南海電車。手前の電車は大阪市の難波駅に向かう
でも、堺は魅力的な街に変わりありません。そこで、堺市にある中心駅を紹介していきたいと思います。
JRにおける堺市の中心駅、堺市駅
まずはJRの阪和線にある堺市駅です。堺市の中心駅の中では最も東にあり、またJRの駅ながら「~市駅」と表記されているのは、政令指定都市ではこの駅だけです。
しかも、特急が通過してしまうという、とても政令指定都市の中心駅とは思えない扱いであり、ホームも2面2線という小さな駅です(特急以外は全列車が停車)。阪和線は元々私鉄で、しかもその後は南海に吸収合併されたこともあって、他の南海路線に比べると低い扱いだったということもあるでしょう。
堺市駅の近くには大阪刑務所があります。また刑務所作業製品展示場もあり、受刑者たちが更生と社会復帰のために作った製品が売られています。
また、堺市駅の駅ビルには大手スーパーのイズミヤが入っており、ベルマージュ堺という複合施設とも直結しています。
堺市駅前のロータリー
堺市における商業・行政の中心地、堺東駅
では、JRの堺市駅から西へ移動しましょう。と言っても、堺市は鉄道が東西には通じていないので、南海バスを利用します。
南海バスが着いたのは、南海高野線の堺東駅です。普通、市名に方角が付いた駅は、市の中心部から外れているのですが、堺市にはその原則が当てはまりません。堺東駅こそが、堺市にとって事実上の中心駅なのです。
堺東駅は特急(泉北ライナーを除く)の停車駅であり、利用客数は南海電気鉄道の中で第4位、大阪市以外および乗換路線が無い駅では第1位という、まさしく堺市の中心駅です。
また、駅ビルには高島屋の堺店が入居しており、商業的にも堺市の中心です。ロータリーの南側には、専門店街のジョルノもあります。そして、駅の西側には府道30号線(あべの筋)が通じており、そのまま北へ進めば天王寺&阿倍野に到着します。
高島屋の堺店と一体になった堺東駅と、天王寺&阿倍野に通ずる府道30号線(あべの筋)
また、駅前には堺銀座商店街というアーケード街が広がっています。南海系だけに、難波の千日前と雰囲気が似ています。昔ながらのアーケード街は、これからも残して欲しいですね。
昔ながらのアーケード街が残る、堺銀座商店街
また堺東駅前には、堺市役所、堺区役所、裁判所、検察庁、税務署などが集中する、堺市における行政の中心部でもあります。特に堺市役所高層館は地上21階を誇る、大阪市役所(地上9階)よりも遥かに立派なビルディングです。そして、21階は展望ロビーとなっており、誰でも無料で堺市周辺を一望できます。
中央のビルが堺市役所高層館
では、次回は【堺東駅~堺駅編】をお送りします。
2017年1月30日