リレー徘徊46:路上芸術in宝塚〜抽象作品1
自宅周辺に前回ご案内した大阪・中之島緑道のように野外や路上で展示設置されている芸術品はないかなぁ~と調べたところ、さすが「芸術と音楽と文化の街・すみれの花咲く宝塚」ですね、ネットで検索すると芋づる式に具象・抽象・石像・銅像、移築された記念の造形物が、わんさ出る出る!!無名作品から世界的に有名な作家の作品迄、総数37作品(内2作品行方不明)も出てきました。抽象作品から順に巡って行き、具象作品、キャラ作品へと廻って行きたいと思っています。
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教育委員会編/つきみがおか公園
さて、どこから観に行くかなぁーと自宅を出て、ふと近くの公園を観るとグリーンに塗られた鋼鉄製のオブジェが目に入りました。宝塚市の教育委員会が標語ともに設置したようで、市中の公園や公共施設、駅前広場を廻ったところ全部で4ヶ所にありました。いずれも作者名はなく、調べても不明であります。
このオブジェ、公園入り口に鎮座する2mを越える作品です。「題名:相互信頼/標語:さがしだせ あなたのわたしの すばらしさ」〜多分、相互信頼という部分を「左右同じ造形のオブジェ=平等な人間同士である」って表現なんだろうと解釈。でも、どうみても虫ポケモンのコクーンに見えますが…ちなみにこの公園、ポケストップです。
教育委員会編/宝塚市市民病院
病院へのアプローチ、植え込みにある作品で、「題名:自立/広げよう やさしい気持ち 思いやり」〜これ、どう理屈がつくんだろうか? 人が万歳して腕を左右に広げた形を「広げる」のモチーフにしてるとしても「自律」「やさしさ」「思いやり」をどこで表現してるんだろうか?
教育委員会編/市立清荒神図書館
図書館脇の植え込みにひっそりある作品で、「題名:ふれあい/標語:優しさを 口にするより まず行動」で、わからん!!もしかして標語は後付けなのか??? 無理に解釈すると「ふれあい」は左右のオブジェの重なりで、標語の「まず行動」を強調する為に形にこだわり、ラインを入れる事によって「力強さ」を表現したかった…なんてね〜。
教育委員会編/阪急逆瀬川駅前
駅前タクシー待ち合い駐車スペースの奥に、車道を横切って見に来いって感じの場所にある作品で、明らかに上の3つの作品と素材も造形への思いも違っています。「題名:寄り添う/標語:優しさの種 やがて実となり 花となれ」〜寄り添う人という造形をストレーに表現してる感あり、男女かな?大人と子どもかな?と造形に思いを寄せることができますが、標語、絶対に後付け、全く連携性がないものね。もしかして先に「題名=テーマ」で、標語を募集したのかもしれません。残念ながら教育委員会のサイトには、これらの作品の解説が全く載っていないので真意、不明であります。せっかく創ったのにね…。
抽象芸術作品編/阪急逆瀬川駅前・大きな爪?
作家の作品が同じ駅前にあるというので探してみたら、車の排気ガスがかかる狭い歩道の脇にありました。題名は「出会い」。作者は、和瓦の技法を用いた黒陶と石彫の作家・速水史郎氏(1927年〜)。丁寧に仕上げた丸みのある黒い二枚の爪は人なんでしょうか。それが微妙にずれていることで「出会い」の瞬間を表現している〜作者の意図は確かめられませんが。速水氏は「彫刻は人が触れることで輝きを増すというのが自分の考え」だそうで、作家の作品を置く環境ではないですよね、ココは〜と最初思いましたが、作者の考え「人が触れる」を踏まえるとココでもいいのかなぁ〜とも。
阪急宝塚南口駅前・再生のモニュメント
最初観た時に「某ビールメーカーの生チューの宣伝オブジェか?!」と思ってしまいました。このステンレスで作られた「生」の文字輪郭で構成されたモニュメント、実は阪神淡路大震災復興のオブジェで「再生」を表現した作品でした。題名「街とひとの心の再生を祈って〜生」作者は美術家・大野良平氏。「生」の文字は「阪神淡路大震災から10年目の2005年1月、街と人の再生を願い震災追悼モニュメントとして、大野氏が武庫川の中州に河原の石を積んで制作したのが始まりです。詳しくは宝塚市役所の「記憶の中の「生(せい)」再現プロジェクトについて(4代目)」に経緯が書かれています。
小説「阪急電車(有川浩作)」にも登場しますが、映画化(阪急電車 片道15分の奇跡:2011年4月公開)された中には出てこないそうです。作家の思い、できればオブジェの近隣に設置してもらいないなぁ…と思いましたね。次回も作家による抽象作品紹介です。
2017年2月15日