秘湯シリーズ2〜渓流沿いの多彩な露天風呂を楽しめる摩周湖近くの宿〜

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摩周湖の東約10kmの位置に養老牛温泉があります。渓流沿いの多彩な露天風呂、工夫された館内、絶滅危惧種のシマフクロウに出会うこともできる、コスパ抜群の孤高の温泉宿。(この記事はブログ「秘湯感動紀行」を加筆再編集したものです)

秘湯感動紀行〜秘湯めぐりで出会う感動〜

養老牛温泉・湯宿だいいち

「湯宿だいいち」は聞きしにまさる圧倒的なコスパを誇ります。単に安価というだけでなく温泉宿としての総合力、熟度が極めて高く、館主の志を感じます。根釧原野の牧場を抜けて、または摩周湖から宿に向かいます。

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この写真は増築された新館の方です。瀟洒でモダンなデザイン。かなり高級そうに見えますが実際高級です。ただしコスパは抜群。

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ロビーに入ると暖炉、その先には渓流が流れています。この渓流には絶滅危惧種のシマフクロウが訪れます。(最後に写真で紹介します)

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館内の通路は美術館です。明るい色調の廊下にはいろいろな絵が飾られていて飽きません。歩くだけの通路を美術館にするというのが館主の考え。もう一つ気づいたことはスリッパがない。ホテルや旅館でスリッパを履いてペタペタという音を鳴らして歩くほど無粋なものはない。そこで足が冷えないように要所は床暖房になっている。根釧地方の冬はかなり冷え込むからこれは快適。

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新館の二階に立派なオーディオシステムがあります。手前に広い居間があって、外を眺める人、暖炉に当たる人、オーディオを楽しむ人を歓迎しています。館主は様々の仕掛けをめぐらしているようです。

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部屋はご覧の通りゴージャスです。暖房も程よく効いていて快適かつ清潔です。余談ですが女性は浴衣を選べます。たくさん積んであるので迷うことでしょう。「私も着たい」と手を出したら叱られました。

渓流沿いの多彩な露天風呂

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まずは内湯、ご覧の通りひのきの香りとともに清潔感があふれている。若木がみずみずしく品格を感じる佇まいです。寝湯もサウナもあり、すべてがしっかりした造作に納得。館主はいたるところを日々改装され、進化することに情熱を傾けているようです。

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内湯から外に出ればそこは露天風呂、湯気が出ています。透明新鮮な源泉が掛け流されています。写真では見えませんが左下は渓流です。

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木をくり抜いた湯船とテラス、それに渓流(モシベツ川)。標津岳を源流とする爽やかな源流です。湯量は多く温度も高い。アイヌの方々が300年ほど前から使われていたそうです。

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傍らには巨木をくり抜いた湯舟もあります。

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先ほどのテラスの下にはこんな露天風呂が。浅い湯舟で寝そべって入ります。すぐ目の前が渓流、これは贅沢です。渓流の上を時々鳥が飛び交っています。カワセミもいるそうです。

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これはトップ画像の温泉と渓流です。渓流に沿って細長いもう一つの川が流れているように見えます。実はここは混浴です。男湯と女湯の間にあります。

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新館にも風呂があります。この湯舟は二階から見下ろす構造で一階にも湯舟があります。どちらも開放的な湯舟。ところで、湯宿だいいちは湯舟が相当多いにもかかわらず男性用と女性用は入れ替わりません。これは結構珍しい。

普通はどちらの風呂の趣向も楽しんでもらいたい、というもの。風呂の数が少ない場合には、そうしなければ勿体ないということだろう。ところが、ここは入れ替えをしなくても済むように圧倒的な数の風呂を造ってある。つまり圧倒的な固定インフラで勝負する考えだ。

豊富な食材を使った食事

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地元のホタテとボタンエビが特に美味です。このほかに金目鯛の和風あんかけ、珍しいエビ(ほかのメニューも選べる)が出てきました。それに意表をつくタンシチューも。

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これは「豚丼」です。ご存知ですか? 十勝地方の有名メニューです。なぜ有名か? それは豚の脂がしつこくなくジューシーだから。絶品です。

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北海道なら「いくら」でしょ。ごく当然のようにご飯にはいくらが山盛り。豚丼かいくら丼か、どちらか一方を選びます。

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朝食はお腹に優しいおかゆに添えて圧倒的多数のバイキングをいただきました。いくらや行者にんにくのしょうゆ漬けがありました。

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渓流沿いの食堂でいただく朝陽の中の朝食はなんとも贅沢の限り。締めはコーヒー、すると食後には餅つきが始まりました。社長自らがおすそ分けされていました。

絶滅危惧種シマフクロウに出会う

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シマフクロウは北海道で約140羽と言われている絶滅危惧種。翼を広げると1.8mもある巨大な森の神様です。巣を造るには樹齢300年以上の巨木が必要という。餌は新鮮な魚や小動物。将来が心配。

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そこで、館主は渓流の上に木製の水槽を作り、その渓流の水を流し込んで生きた魚を入れます。これがシマフクロウの生簀です。実は餌づけされています。シマフクロウがここで生きながらえ、訪れた方々に見ていただくことに賛成です。

まとめ

高級仕様の館内、多彩な露天風呂、豊富な食材の食事、渓流とシマフクロウ、オーディルームに美術館廊下、こんな宿を私は「モダン秘湯」と呼んでいます。ちなみに平日でしたが一泊二食で13000円でした。圧倒的なコスパ。

朝の餅つきに参加したら手拭いをいただきました。書かれていた言葉は「窓を開ければ野鳥の森と渓流のせせらぎ」。この宿の真髄を言い当てています。連泊すべき宿と感じました。

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2015年10月13日

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