最果ての温泉「酸ケ湯」へ 一泊二日、女三人湯治の旅
残雪の青森へ
実はわたくし、学生時代の親友達と毎年、温泉旅行を企画しておりまして。名づけて、「女三人湯けむりの旅」。幹事は持ち回りでしているのですが、今回は不祥このわたくしがつとめさせてもらい、幹事の独断と専横で選んだのが、昨年、観測史上最高の積雪量6メートルを記録しました、「酸ケ湯」でございます。
なんと、雪が残っておりました。この青森県は国立公園八甲田山「国民温泉」酸ケ湯温泉に訪れたのは、5月も末。大阪はその日、最高気温28度でございました。ついでに言えば、この日、青森空港は10度です。確認しませんでしたが、JR青森駅から車で70分のこちらは、さて何度だったのでしょうか……。
日差しは春でしたが。残雪は1メートル以上。ふふふ。我らがすむ大阪ではほとんど雪なんて降りませんからねぇ。初夏だと言うのに、雪。少々汚れてはおりますが、まごうことなき雪でございます。
想像通りの湯治場に感動
今日のお宿はこちら。うん。古式ゆかしき趣が。今回は、一泊二日の短い滞在でしたが、「湯治プラン」を選びましたので、共同キッチンのある棟での宿泊です。どう~ですこの生活感。映画の「テルマエ・ロマエ」にでてきたような、湯治場そのままです。
台所にはこの他、コンロや電子レンジもございます。その横にはコイン式の洗濯乾燥機も2台あり。仕事さえ待っていなければ、部屋備え付けの「湯治のすすめ」であったように、10日間滞在したかった………。
部屋の内部の写真がこの一枚しかないのは、そりゃ女3人+女の子1人ですもの。「温泉のただしい入り方」に勧められるまでもなく、ただひたすらダベリング。部屋備え付けの大きなポットのお湯がなくなるまで、しゃべるシャベル喋る。
宿につきました→部屋でおしゃべり→まずはひと風呂→布団をしいてころがりつつおしゃべり→早めの夕食→部屋にかえっておしゃべり→酸ケ湯名物「ひばの千人風呂」へ→部屋に帰っておしゃべり、おしゃべり、おしゃべり………。
もちろん、青森駅から酸ケ湯までの道中、ランチの間、夕食中、そして温泉につかっている間もただひたすら喋っております。なにせ三人揃って会うのはほぼ一年ぶりですからね。話のたねがつきることなぞあるはずもなく。わたくしは連日の締め切りによる寝不足で、10時半には沈没しましたが、友人ふたりは12時以降もおしゃべりをしていたか……。ヴィバ温泉。
身体に優しい健康夕食
お楽しみの夕飯は、素晴らしき哉高タンパク低カロリー、ビールは大目にみようぜ。そんなメニューでした。食堂の入口に献立が書いてありましたが、温泉でこなれてグーグーなるお腹を抱えておりましたので、見ちゃあいねえ。
手前左から順に、焼き魚(さわら?)、セロリの漬物、鳥ハムと山ウドのサラダ、お土産ものとしても売っていたなめこのようなもの、山芋のお鍋、魚、まぐろのお刺身でございました。
ちなみに朝食はブュッフェ形式で、ご飯とみそ汁の純和風だけでなく、パンもありました。 なによりもお代わり自由の珈琲があったのがうれしかった。
すべては雪の下に……
しかし今回の旅で、日本は広さをあらためて感じました。だってね。お宿の近くにはまだ、フキノトウが咲いていたのですよ。5月も末だと言うのに。
この写真は、お宿の正面二階から上を撮ったものです。このはしごはきっと、雪おろしの為ですね。いままでわたしの本州の北限は福島であそこも「遠くへ来たもんだ」と思いましたが、青森はさらにその想いを強くしました。言葉もそうですが、なにしろ気候が違う。5月と言うのにまだまだ早春でございましたよ。
「翌日の駅への送迎まで時間もあるし、国立公園の内なんだから、景色もよかろう。いっちょ幹事としてお勧め散策スポットを聞こうではないか」そう思いまして、フロントの方に聞いてみましたらば。
「申し訳ございません…。今年は雪がたいへん多く、散策エリアは雪に埋まっておりまして………」
ですよね~。上の写真はお宿のすぐ横、たぶんハイキングエリアへの近道のはずですが、はい、雪の下です。
鳥居も埋まっちゃってます。
お宿の玄関に「カンジキ」やら「蓑かさ」やらが置いてあったのは、飾りではなく実用でしょう。それでもめげずに散策した八甲田ホテルと、青森市内の観光につきましては、別の記事でご覧にいれようと思います。
酸ケ湯:http://www.sukayu.jp/Tops/index
2015年12月9日