七色に化ける温泉!?長野県の七味温泉を訪ねて
師走がやってきて周りの人たちは、忙しそうに動き回っているところを見ていると、何となく自分も忙しく感じてしまう今日この頃です。師走と言えば、冬至ですがそろそろ湯治に出かけてみたくなりました。
今回は、来年の大河ドラマでも話題の六文銭でお馴染みの真田家があった松代の松代温泉と高山村の七味温泉に出かけてみました。
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長野ICを降りるとそこは松代
長野自動車道の終点長野ICを降りると、街のあちらこちらに真田家の家紋である六文銭があしらわれています。真田と言えば真田幸村公で、戦国の名武将として語り継がれています。真田幸村の故郷は、真田城がある真田が有名ですが、江戸時代に松代に屋敷を構えたことから、松代も真田の故郷となっていす。
真田幸村は、関ヶ原の合戦で豊臣方につき徳川の敵として戦いました。そして、徳川の大将である徳川家康に槍を突きつけたとして有名となっています。真田幸村は、徳川にとっては敵でしたが、その戦いぶりに家康が感服し、領地を召し上げることなく松代に領地を構える大名となったのです。
隠れ名湯!加賀井温泉
松代は、真田本陣の他にも有名なものがあります。松代温泉は松代に沸く鉄分やカルシウム分が豊富な名湯温泉があります。松代温泉は、長野ICより松代市街を通り抜けたところにある、鄙びた温泉地となっており、松代国民宿舎の宿が1軒あるのみです。
今回は、松代温泉ではなく、その隣にある知る人ぞ知る隠れ名湯の加賀井温泉を訪ねてみます。
加賀井温泉は、松代温泉よりも歴史が深く、武田信玄が川中島の合戦で傷ついた兵を休めた言い伝えがあり、信玄の隠し湯の一つにもなっています。
泉質は、松代温泉とほぼ同じですが、加賀井温泉は炭酸ガスを豊富に含んでいるのが特徴で、温度は40℃前後と高くありませんが、非常に温まり湯冷めしない温泉で有名です。
かつては、一陽館と言う旅館がありましたが、現在、旅館は廃業していますが、日帰り温泉として営業しています。
ここの管理人である親父さんが有名で、初めて加賀井温泉を訪れた人に、加賀井温泉の歴史や泉質などを親切に教えてくれます。
高濃度の名泉
温泉は、男女別の内風呂と混浴の露天風呂があります。内風呂は、如何にも歴史ある佇まいで、脱衣所とお風呂が一緒になっています。内風呂の大きさは5メートルは優にあり広々としています。
温度は40℃と温いですが、高濃度の炭酸を含んだナトリウム・カルシウム-塩化物温泉により、とても温まる温泉です。
露天風呂に移るのですが、一端外に出なければならず、地元の人たちは衣類をもってそのまま裸のまま外へ出て行きます。何と、ご年配の女性もそのままの姿で露天風呂に移動している姿には驚きました。
露天風呂は、41℃の熱湯と39℃の温湯があります。先客の地元の人は、朝8時からずっと入浴しているとのことで、お昼あたりまで露天風呂で過ごすそうです。なんとも羨ましい限りですわ……。
七味温泉へひたすら山道を
加賀井温泉だけでも多分このレポートは終わってしまうほど、話題が尽きない温泉です。ただ、今回はもう一つの目的である七味温泉を訪れる目的がありますので、1時間入浴したところでお暇することにしました。
七味温泉へは、栗で有名な小布施から山道を登ること1時間余りで到着する秘湯となっています。その途中には、子安温泉、山田温泉、松川渓谷温泉、五色温泉と温泉が立ち並び、高山温泉郷と称されています。今回の七味温泉は、高山温泉郷の中でも一番奥にある温泉になります。
山道と言っても、前に行った蓮華温泉に通じる道ほど険しくはありませんが、今の時期は雪がありますので、スタッドレスタイヤとタイヤチェーンを持っていたほうが無難です。
温泉の色が変わる七味温泉
七味温泉の由来は、七つの源泉があり、それぞれの宿が独自にブレンドしていたことから七味温泉と名づけられたようです。七味温泉の泉質は、基本的には硫黄泉ですがね源泉により微妙に成分が異なっており、ブレンドする配合により温泉の色が変わることで有名です。
紅葉館で七味温泉を堪能
今回は、紅葉館で入浴することにします。紅葉館は、秋の紅葉時期にお風呂から眺める紅葉が素晴らしいと言うことで、この名前が付いたそうです。館内に写真が飾ってあり、確かにここの紅葉は素晴らしく、訪れる価値があります。
ただ、今回は紅葉は既に終わってしまっていますので、来年秋に訪れてみたいと思います。
まず内風呂があり、そこには白濁した温泉が溢れています。その奥に露天風呂があり、露天風呂は、奇麗なエメラルドグリーンに染まっています。
温泉は43℃と少し熱めですが、寒い冬にはもってこいの温泉です。露天風呂の向かい黒色下木箱のようなものがあり、温泉が注がれています。不思議に思い近づくと入浴可能のようですが、真っ黒に染まった温泉が溢れています。
この真っ黒な温泉は、やはり泉質の違う温泉をブレンドすることにより、真っ黒な温泉になるのだそうです。恐る恐る入浴してみると、すごく気持ちの良い温泉です。しかし、真っ黒温泉から上がると体中が真っ黒に…。
終わりに
日本各地には、加賀井温泉や七味温泉のように有名ではありませんが、有名な温泉に負けない良質な温泉があります。加賀井温泉のように、廃業に追い込まれる温泉宿も後を絶たず、後継者問題など問題は山積していますが、地元や温泉愛好家だけでなく大勢の人で守っていかなくてはならない財産ではないでしょうか。
2015年12月21日