品川駅周辺で開発が進むビル群と見どころいっぱいの東京海洋大学 東京都港区を歩く

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品川区ではなく港区にある品川駅

今回行ったのは、私の家から近くて遠い場所、品川駅周辺。地図上の直線距離はわりと近めなのですが、電車に乗ると乗換えなどで、ぐるっと大回りして20分くらいかかるのですよ。

20分なんて近いじゃん、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、品川から東海道線や京浜急行の快特に乗れば横浜まで17分前後。同じ城南地区なのに、時間的には神奈川県のほうが近いのですな。品川に住んでいるといっても、渋谷や新宿へ行くほうが多かったりして…。

もっとも、品川駅の近くは、私が住んでいる品川区ではなく港区になるのでした。何となく、品川区民にとって「我らが駅」とは思えないのかもしれませぬ。でも、新幹線の駅ができてから、品川駅周辺は急速に発展しつつあるという噂を耳にしました。そこで久しぶりに、品川駅周辺を訪ねてみようか、と…。

ちなみに、新幹線品川駅開業は2003年10月で、もう10年以上も前なのですな。

ところで品川というと、私の中では二つの顔がありまする。まずは、品川インターシティや天王洲アイルの高層建築に代表される未来都市のような景観。そしてご存知、旧東海道最初の宿場町品川宿の歴史的な景観。平成と江戸時代の景観の違いがこんなに感じられる場所はあまりのないかも。一日で時代を遡れるのが品川ウォーキングの魅力ではないかと感じました。

…ということで、まずは平成の品川から歩いてみることに致しまする。品川駅には、高輪口と港南口という二つの出口があります。高輪口にはプリンスホテルやパシフィックホテル、京急ウィングなどがあって昔から活況を呈しておりますな。

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今回は反対側の港南口を目指して構内を歩いて行きます。

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新幹線の駅になってから、連絡通路もモダンになりましたね。大型液晶ディスプレイを用いた広告媒体が多数設置されていてSF映画のワンシーンみたい。アトレ品川ができてから港南口の雰囲気も大きく変わりました。以前から駅前に商店はあったものの、倉庫街への入り口みたいな印象でした。それが、いつの間にか未来都市のような景観に…。

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緑に囲まれた未来都市のような景観の品川インターシティ

その中心となるのが、品川インターシティですね。レストランや専門店、コンビニエンスストアはもちろん、クリニック、郵便局、多目的ホールやギャラリーなどの幅広い施設で構成されておりまする。

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駅から屋根付の連絡橋、レインボーロードで緑豊かなオープンスペースを眺めながら歩けるのも魅力です。

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インターシティに隣接して、品川グランドコモンズという高層ビルが建ち、その間に広々とした緑の空間が広がっています。

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テラスから眺めると、深い森から高層ビルがにょっきり建っているみたい。

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下へ降りてみると、木々の間にベンチが置かれていて、仕事に疲れた頭をクールダウンするにはもってこいの雰囲気でした。

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インターシティ内の歩道橋も、未来都市のようなイメージ。

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オープンテラスの喫茶店で、ゆっくり休んで行きたいところですが、今日は見所満載で強行軍となりそうなので、そのまま前進します。

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さかなクンが客員准教授を務めている東京海洋大学

旧海岸通りを越え、御楯橋をわたると、橋のたもとにあるのが港南公園。川に見えますが、運河なのですか。

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川岸には高浜運河遊歩道が続いておりました。遊歩道をどこまでも歩いてゆきたい衝動にかられましたが、その前に行くべき場所があったのでした。それは東京海洋大学のキャンパス。

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旧東京水産大学で、恐れ賢くも国立大学ですよ。最近は、さかなクンが客員准教授を務めていることでも有名ですね。

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江東区にキャンバスのある東京商船大学と合併して、東京海洋大学に生まれ変わったのですよ。最近は、国立大学法人というらしいですが、その違いがわかりませぬ。

海洋資源の秘宝館みたいな水産資料館

実は、過去2回ここを訪れて印象に残っている場所があるのでした。それは、キャンパスの中にある「水産資料館」。

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最初に行ったのは、東京水産大学時代でした。あるガイドブックに、無料で見学できると書いてあったのですよ。そこで、資料館を訪れたら、誰も受付にいない。仕方なく、受付のノートに名前を書いて2階に上がったのです。すると、電気が消えていて真っ暗。

ようやく、自分でスイッチを探して電気をつけたとたん、

ひぃぃぃぃぃぃぃぃ~と叫びそうになりましたね。

目の前に、イグアナや鮫の剥製がいきなり現れたのです。シーンと静まり返った、だだっ広い展示室に私一人。海鳥や巨大なカニが今にも動きそうで、背筋が寒くなりました。真夜中に学校の理科室を訪れて、懐中電灯で人体標本を照らしたような感覚でしょうか。今回、お化け屋敷感覚をもう一度体験してみたいと思ったら、残念ながら改修工事で休館中でした。

前回来たのは、7~8年前の東京海洋大学に変わってから。そのときは、ちゃんと受付に係の人がいて、マンツーマンで館内を解説してもらったのです。さすが国立大学法人と感動したのを覚えています。確か一階は、水産講習所から東京水産大学、そして現在の東京海洋大学の実習で使っている練習船の模型が展示してあったような。

2階は、前回来たときよりかなり整備されていて、お化け屋敷的な魅力は薄れた反面、博物学的な見所はいろいろありましたね。とくに、ガラパゴスの生き物の標本は、現在では作れない貴重なもので、昭和30年代の調査だから可能だったみたい。

ほかには、鯨の胎児の標本とか、世界中の貝の標本とか、好きな人なら一日いても飽きないくらいの量でした。とくに、アワビの真珠のミステリアスな輝きに魅了されたのを覚えています。捕鯨の実習で利用した重そうな銛も展示してあって、当時は理系というより体育会系の学校だったのかなと…。

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休館時期は、2015年秋頃(予定)までだそうですね。人生三度目の水産資料館はどんな感じでリニューアルされているのか、是非また行ってみようと思いました。

鯨の世界最大級の骨格標本がある

休館中の水産資料館の前にあるのが、「鯨ギャラリー」。

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ここは、セミクジラの全身骨格が展示してあるのですが、こちらは幸いにも開館していました。水産大学時代は、倉庫の中に保管してあるといった感じでしたが。それが「ギャラリー」に改修されてからは、博物館みたいに上からも眺められるテラスが設置されたのですな。

それにしてもさすがに鯨は大きい。同じ地球上に暮らす生き物だとは思えませぬ。体長は約17メートル。完全な骨格標本としては、世界最大級らしい。

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写真を撮っても、全身が収まりませぬ。この大きさなら、ピノキオを作ったおじいさんでも腹の中で暮らせるかも。

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面白い頭蓋骨の形だと思いましたけど、興味深かったのはちゃんと骨盤があること。

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もちろん退化して骨盤骨の痕跡になっているのですが、それでもカバンくらいの大きさがある。

鯨のヒレの部分も、骨格は完全に「手」に見えまする。

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やっぱし、我々と同じ哺乳類なのですな、鯨は。

「蟹工船」をイメージできる雲鷹丸

鯨ギャラリーを出て、広いキャンパスをぶらぶら。さすが、国立大学法人だけあって、グランドも広々として建物もゆったり建てられていますね。

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するとキャンバスの一角に、古い船を見つけました。

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これは、「雲鷹丸」と言い、明治から昭和の初期にかけて、水産講習所の研究練習船として活躍したらしい。

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長さ約41メートル、幅の約8.5メートル。444トン。主にカムチャッカ漁場の開拓と蟹工船事業の開発に活躍したそうな。蟹工船と聞いて、ベストセラー小林多喜二の「蟹工船」をイメージしました。実際、この船の中でカニの缶詰作業も行っていたそうですよ。

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これがホントに蟹工船なのですかね。真っ白いペンキが塗られているので、労働作業の過酷さよりもお洒落なクルーズ航海というイメージですが。もっとも練習船なので、過酷な労働環境ではなかったのでした。

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キャンパスを歩いていると、女子学生が多いことに気づきました。なんでも、東京海洋大学へネーミングが変わってから、女子学生が増えたらしい。やはり「水産」より「海洋」のほうがお洒落で明るいイメージはありますね。

また今度訪れるときは、どんなふうに変わっているのだろうと思いつつ、東京海洋大学をあとにしました。

数多くのドラマやコマーシャルのロケ地としても有名な天王洲ふれあい橋

再び港南公園に戻り、運河沿いの遊歩道を歩きます。

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水辺に建ち並ぶビルの景色を眺めていると、東京が江戸時代から続く「水の都」というイメージが実感できました。水辺とオブジェのコラボもなかなか良いですね。

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港区の港南公園から品川区の天王洲アイルを眺める景観も、知る人ぞ知る観光スポット。

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レトロに見えるから歴史があるのかと思ったのが、この天王洲ふれあい橋。

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実は、1996年の完成で、品川区における天王洲地区再開発の一環として架けられたのだとか。

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倉庫を改造したオープンテラスのレストラン、レトロな鉄橋も高層ビルに囲まれると逆にハイカラに見えたりしますな。

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数多くのドラマやコマーシャルのロケ地として有名らしい。確かに、記憶に残りそうな素敵な景観ですね。

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2016年1月22日

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